3分の1だけ売るのか
それとも半分売るのか

さて、株価上昇にともなう利益確定では、20%上がったら慌てて全部売らず、3分の1だけ売るのか、それとも半分売るのかを判断するようにしてください。

それでもリバランスによるポートフォリオのリフレッシュ効果は、ちゃんと得られます。

もっとも、一度にどのくらい売るのかは、一律には決められないものです。

どれだけ売るかは
臨機応変に

たとえば、保有銘柄のなかでも、好きで大事にしている銘柄なら、3分の1だけ売って、さらなる値上がりに期待し、そこまで思い入れのない銘柄なら半分売るといった考え方がいいでしょう。

また、株式相場全体が下落しており、値上がりが望めそうもない局面なら、10%上がったところで半分売り、20%上がったら残りも全部売るという考え方もアリでしょう。 

もちろん、銘柄の属性(割安株か成長株か)によっても適切な値は変わりますし、株価のトレンドが継続している限りは持ち続けるという米国人的な発想をとり入れるほうがいい成長株も多々あります。

投資をしながら
“得意の勝ちパターン”を確率

実践の場で得られた経験を積み上げているうちに、「こうした値動きを示している銘柄は、20%上がったら半分売ってしまったほうがいい」とか「こういうタイプの銘柄は、20%上がっても始めは3分の1だけ売り、しばらく様子を見たほうがよさそうだ」といった“気づき”が得られるようになります。

そうして自分なりのリスク許容度がだんだんわかってきたら、“得意の勝ちパターン”を確立していきましょう。

セクターの特性をつかむ

また、セクターの特性により、株価の上下動の幅は異なります。

景気による値動きが少ない「生活必需品」「公益事業」のセクターなら、15%上がっただけでも売却を視野に入れるべきかもしれません。

景気による値動きが大きい自動車やファストファッションなどの「一般消費財」や、「金融」のセクターなどなら、25%の値上がりで売却を検討してもいいと思います。 

20%を1つの基軸に
5~10%ほどの振り幅

成長が著しい「ハイテクセクター」ならば、30%の値上がりを売却の目安とするのもいいでしょう。

ですから、割安株を中心とする投資の利益確定では20%を1つの基軸としながら、上下に5~10%ほどの振り幅があると理解してください。

※本稿は、『個人投資家もマネできる 世界の富裕層がお金を増やしている方法』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。