「そり負け」の悩み解消法、ヒゲは断然夜に手入れすべき2つの理由(写真はイメージです) Photo:PIXTA

ヒゲそりが原因で肌荒れに悩んでいる男性は、「朝ぞり」を習慣にしていないでしょうか。実はそれが肌にダメージを与えている要因かもしれません。正しいヒゲのそり方やトラブルへの対処法を皮膚科医に聞きました。(取材・文/コスメライター 関田そあ)

加齢で髪の毛は薄くなり、ヒゲは濃くなる
男性ホルモンの不思議

 そもそも、なぜ男性にだけヒゲは生えるのでしょうか。まずはヒゲにまつわる疑問を、もりはら皮ふ科クリニック院長の森原潔先生に聞きました。

「ヒゲは成人男性だけが濃くなるわけではありません。ヒゲの成長は男性ホルモンによって左右されるため、男性ホルモンがもともと圧倒的に多い男性は成人男性になるにつれヒゲが濃くなりますが、女性でも男性ホルモンが増える思春期頃は産毛っぽく生えることも。また副腎に出来物ができると、男性ホルモンが増え、女性でもヒゲが生える特殊な病気もあります」

 また、1日の中でもヒゲが伸びやすい時間帯とそうでない時間帯があるとのこと。ヒゲは寝ている間はあまり伸びないという説もありますが、実際はどうなのでしょうか。

「ヒゲは男性ホルモンの影響を受けるため、男性ホルモンが増えるのとほぼ同じ時間帯で伸びやすくなります。男性ホルモンが一番増える時間帯は午前6時から12時ぐらいなので、深夜にはあまり生えないといわれています」

 年を重ねるごとに体のさまざまなところに変化を感じることも多いですが、ヒゲも加齢の影響で変化するのでしょうか。

「ヒゲの成長は30代後半~50代がピークといわれており、年を重ねた人ほど男性ホルモンの影響でヒゲも太くなり、ヒゲの範囲が広く豊かになります。逆に、髪の毛は男性ホルモンの影響を多く受ける40~50代に減少傾向になります。またヒゲも髪の毛と同様に、加齢とともにメラニンという色素がうまく作られなくなり白髪が増えます」

 同じ毛でも男性ホルモンが及ぼす影響に違いがあるというのは、面白い体の仕組みです。