朝はNG⁉︎何を使ってどうそればいいか

 ホームケアの代表的な「T字カミソリ、電気シェーバー、毛抜き」だと肌への負担が少ないのはどの処理方法でしょうか。

「よく患者さんにも同じ質問をされます。肌への負担を考えると肌に刃が接してないという点では毛抜きです。しかし、1万本以上生えているヒゲを抜くというはあまり現実的ではないので、電気シェーバーが毎日のケアにはおすすめです」

 電気シェーバーは網目状の平らな外刃と内刃でヒゲを挟んでそるので、ヒゲを刈り取る内刃が肌に直接触れることがないため肌への負担は少なく、有名メーカーのものであれば、まずカミソリ負けはしないとのこと。

 今はほとんどの電気シェーバーは水洗いでき、お風呂でも使用可能。ヒゲをそる前にヒゲを柔らかくし、滑りをよくするプレシェービングローションをつけてそっても壊れないタイプが主流になっているので、肌への負担は昔より格段に少なくできるそうです。

「また、深ぞりができる点はT字カミソリの大きな特徴ですが、刃を直接肌に当てることになり、肌への負担が懸念されるので、丁寧に正しくヒゲそりをすることがより大切です」

 具体的に、肌にやさしいヒゲのそり方を教えてもらいました。

「まずヒゲを朝にそっている人も多いと思うのですが、朝の慌ただしい時間だと乱暴なそり方になりやすく、皮膚を傷つけやすくなります。夜の入浴中か入浴後にそるのがベター。ヒゲは一日に0.3mm~0.5mmしか伸びないので、夜にそったからといって無精ヒゲになることはほぼありません」

 ヒゲが入浴により多少柔らかくなり皮膚を傷つけずにそることができ、万が一皮膚を傷つけても、入浴中か入浴後ならば、それほど皮膚は汚れておらず細菌が入りにくいという理由もあります。できればシェービングジェルやムースを使って、ヒゲをさらに柔らかくし、肌を清潔にした状態でそるのがベストとのこと。

「先述のように、電気シェーバーでそるのが肌にとってはおすすめですが、T字カミソリでそる場合は、切れ味に注意。切れにくい刃では何度も皮膚を往復しないときれいにヒゲはそれないので、その分肌に負担をかけます。マメに刃を交換しましょう。2週間に1回が目安です」

 そして、そり方も重要です。ヒゲの流れに沿ってそる“順ぞり”の方が肌にはやさしいですが、鼻の周りなど複雑なところは、順ぞり逆ぞりを丁寧に使い分けてそる必要があります。

 固いヒゲをそった後の皮膚はそれなりのダメージを受けるので、保湿剤などを塗って肌を保護しましょう。