対策として、例えば、今のぞかれてるなと思ったときに防犯ブザーがあると効果があります。暗がりで確証がないと言う場合は、音を鳴らさずに見せるだけでも犯人を威嚇する効果があります。実際に手が伸びてきたり、確実にカメラを向けられていることがわかれば紐を引いて音を出してください。防犯ブザーは、警戒心が強いことを象徴するアイテムでもありますので、日頃から目につきやすいところに置くといいでしょう。これを「見せる警戒」と呼びます。
防犯ブザーと同じ考え方なんですが、「周りをよく警戒してる」様子を見せることも「見せる警戒」です。先ほど紹介した「一人で行動しない」姿を見せることも同じ効果があります。
大げさでも構いません。子どもに「一人で行動しない」と声に出して言い聞かせることで、潜在的な加害者の耳に届くことがあるかもしれません。そうやって、周りの人に警戒していることを見せることが防犯につながります。ときどき急に後ろを振り向いたり、あたりをキョロキョロと見回すことも「見せる警戒」につながります。
逆にずっと携帯の画面を見ながら歩いていたり、荷物を残してその場を立ち去ったりする様子を見られると「警戒心が薄い」と判断されてターゲットにされてしまう可能性が高くなってしまいます。
また、子どもや女性に対する強制わいせつや強姦といった事件も過去には発生しました。先の熊本地震ではボランティアが10代の女性に対して性加害した事件がありましたが、実は、性犯罪の加害者は被害者と顔見知りとか近所の人が多くなる傾向にあります。加害者はどこにいるか分かりませんので、避難中で大変だと思われますが、常に気を張ってください。
知り合いから「子どもと遊んでくるから休んでて」などと言われても、絶対に子どもを親のそばから離してその人と2人きりにしてはいけません。また、女性も一人で行動しないようにしてください。先ほど説明した3人1組のチームをつくって、必ず2人で行動するようにするなど工夫するといいでしょう。少なくとも2人のペアになってください。
避難の長期化に伴って増える犯罪とは?
窃盗や性犯罪は、震災直後から起こりやすい傾向があります。一方で、避難生活が長期化してくると震災に絡めた詐欺行為が横行し始める傾向があります。