新NISAの成長投資枠で資産の上乗せを狙うなら、見逃せないのがアクティブ投信。インデックス投信を大きく上回る利益も期待できます。ただし、“いい投信”を選ぶことが条件。アクティブ投信は、商品ごとの成績に大きな差があるからです。『一番売れてる月刊マネー誌ザイが作った 買うべき株&投信77 2024年度版』から、つみたて投資枠でアクティブ投信を選ぶポイントとオススメの例を紹介します。
アクティブ投信選びは成績が最重要!
どんな時でも好成績の投信を選べ
新NISAの成長投資枠では、高いリターンが期待できるモノに投資して、資産の上乗せを狙いたいところ。そこで見逃せないのが、アクティブ投信です。アクティブ投信とは、運用会社が独自に投資対象を選んで組合わせるタイプの投資信託。これに対してつみたて投資枠でメインとなるインデックス投信は、市場全体に広く分散投資し、成績は指数(市場平均)並みとなります。アクティブ投信は、インデックス投信を大きく上回る利益も期待できます。
ただし、“いい投資信託”を選ぶことが条件です。選ぶポイントはとにかく成績! アクティブ投信では、運用の方針や運用を指図するファンドマネージャーの腕次第で、成績に大きな差が出るからです。
1年だけ好成績でも“まぐれ”の可能性があるので、3年、5年など、なるべく長期で見るのが基本です。一方で短期の成績を無視していいわけでもありません。長期で良く見えても、右肩下がりでは優秀とはいえないでしょう。どの期間で見ても好成績の投信が“いい投信”です。
具体的には、まず同じタイプのライバル投信に勝っていること。後述するように、アクティブ投信にもさまざまなタイプがあります。たとえば日本株全般に投資するもの、米国株に投資するものなど、同タイプ内で比較しましょう。
また、成績が投資対象の指数(市場平均)を上回っているかも重要です。そもそも“指数に勝つ”ことがアクティブ投信の意義。指数並みの成績で満足なら、低コストのインデックス投信を買ったほうがいい、ということになります。
さらに、成績の安定性が高いと、長期でも安心して保有できるでしょう。良好な成績を維持できているか、運用環境が厳しい時も下落を抑えられているか、要チェックです。
人気の投資信託=“いい投資信託”ではない
しっかりチェックして“ダメ投信”を避けよう
アクティブ投信は、投資先の国・地域によって、日本株型、米国株型、全世界株型、新興国株型などに分かれます。さらにその中でも、全般に投資するタイプ、中小型株に投資するタイプ、特定の業種やテーマに投資するタイプなどがあります。
投資対象による違いに加えて、運用スタイルもさまざま。割安性を重視するものと、成長性を方針するものなどが、代表的な運用方針の違いです。割安株に有利な時と成長株に有利な時といった市場環境も影響するため、“どんな時も好成績”というのは結構高いハードルです。しかし、その中でも良好な成績を維持している投資信託は存在します。一方で“ずっとダメ”な投資信託も。どれを買うかで大きな差がつくのです。
タイプによって、値動きの傾向にも差があります。たとえば日本株型のアクティブ投信の中でも、中小型株に投資するタイプは、特に大きな値上がりが期待できます。長期で見ると基準価額が数倍になることも。半面、中小型株の値動きが激しいため、リスクは高くなります。したがって投資のメインではなく、サブの位置付けにするのがオススメです。
アクティブ投信選びで意識してほしいのが、人気が高い投資信託が、必ずしも“いい投資信託”ではない、ということ。
特に、「AI関連」「バイオ関連」といった特定の“テーマ”で投資先を絞り込む「テーマ型」の投資信託は、注意が必要です。指数を大きく上回る成績のものもある一方で、当たり外れが大きく、一時の“ブーム”に終わる場合が少なくないからです。長期で安定して“指数超え”を達成している投資信託は、ごく一部というのが現実。何かのテーマが話題になると関連する投信が続々と登場しますが、その時には旬が過ぎている、といったこともありがちです。さらに、投資信託名と実際の投資先がズレている、いわば“名ばかり”のテーマ型もあったりします。
見方を変えると、息が長く続きそうなテーマ、どんな時代も変わらないテーマで、内容がわかりやすい投資信託は、今後も期待が持てるでしょう。実際に、長期にわたって好成績をキープしているのは、そんな投信です。流行に飛び付かず、地に足がついた優良投信を見極めましょう。
上に、米国株に投資するタイプで好成績のオススメ投資信託の例を1つ紹介しています。アクティブ投信選びの参考としてください。
※本稿は、ダイヤモンド・ザイ編集部編『一番売れてる月刊マネー誌ザイが作った 新NISAで買うべき株&投信77 2024年度版』(ダイヤモンド社)から再構成したものです。