飛行機事故で「最も死亡率が高い席」と「安全な席」の意外な特徴とは?写真はイメージです Photo:PIXTA

空の旅は車や船の旅と比べて、非常に安全である。とはいえ、事故は絶対起きないとはいえない。JALと海上保安庁の航空機が羽田空港で衝突するという衝撃的な事故があったばかりだ。本記事は、先日の事故とは別で、もし「墜落しそう!」「不時着しそう!」という場面に出くわしてしまった場合、何をすれば生き残れるかを想定してみたい。今回の知識を使う機会がなければいいが、まさかの時にあなたの命を救ってくれるかもしれない。(一般社団法人 日本防災教育訓練センター代表理事 サニー カミヤ)

飛行機は基本的に安全だが…

 本題に入る前に、空の旅が最も安全な交通手段であることを改めて強調しておく。米メディアによると、2019年には世界で7000万回弱のフライトがあり、死亡者数はわずか287件だった。さらに、米国の国家安全保障会議の国勢調査データの分析(2018年)によれば、飛行機で死亡する確率は18万8364分の1であり、自動車では103分の1であったことが前提にある。

 航空機は緊急事態に非常に強く設計されており、実際、客室乗務員がシートベルトを締めておくよう注意を促す主な理由は、墜落の危険性ではなく、上空でいつ発生してもおかしくない「晴天乱気流」に備えるためである。この気象現象こそが、乗客や航空機に最も大きなダメージを与える可能性があるのだ。

 また旅客機を操縦するのは、パイロット2人体制となっていて、緊急事態におけるさまざまな潜在的なリスクを可能な限り最小化するよう訓練されている。体調管理はもちろん、機体の不具合などで山にぶつかるのを避け、空き地などの平らな場所を探して、できるだけ普通に着陸する。着水時の技術としては、水面の状態を見極め、通常の着水角度で波間に着水することを試みるなどの状況予測シミュレーション訓練により、常に安全運航技術を保持している。

 ただ、もし、予測不可能な事態が生じた場合、生存確率を1%でも高くするために乗客ができることは何か考えてみた。まさかの時に、あなたが生きるか、死ぬか――それはチケットを予約した瞬間から始まっている。