これまでの話を整理すると、住宅が受ける需給バランスの影響は以下のようになる。

「不動産暴落」を煽る本は捨てなさい。信じると“まともな家”を買えない理由

 このように、商品の稀少性や代替性のなさがある場合は需給バランスの影響は受けにくいが、競合となる代替商品がたくさんある場合は影響を強く受けることになる。

今こそが家の買い時
「不動産暴落」に根拠はあるのか?

 不動産価格の大暴落を予言する人の主張が知りたくて、彼らの著作を手に入れたが、「マンション価格は需給バランスで決まる」という最初の1行を読んだだけで、本を閉じてゴミ箱に捨てたことがある。読むに値しないのは明らかだからだ。前述のように、マンション価格の高騰で需給が崩れ、価格が暴落するなどというシナリオはあり得ないのだ。

 また、不動産大暴落と言うなら、いつ起こるかくらい明言しなければならない。「いつか起こる」ということなら、素人でも言える。少なくとも向こう3年は、マンション価格が下落する可能性は非常に低い。

 その中で、自宅は誰でも持つべきであることを筆者は勧めているし、もし値下がりする可能性が出てきたら、その際は筆者を信じてくれた「住まいサーフィン」の30万人の会員には、必ずアナウンスすると公言している。今は買い時であって、購入を遅らせるのはリスクを高めるだけだと考えている。

(スタイルアクト(株)代表取締役 沖 有人)