定年前後の決断で、人生の手取りは2000万円以上変わる! マネージャーナリストでもある税理士の板倉京氏が著し、「わかりやすい」「本当に得をした!」と大人気になった書籍が、2024年の制度改正に合わせ改訂&パワーアップ!「知らないと大損する!定年前後のお金の正解 改訂版」として発売されました。本連載では、本書から抜粋して、定年前後に陥りがちな「落とし穴」や知っているだけでトクするポイントを紹介していきます。
「加給年金」や「振り替え加算」など申請し忘れている人も!
年金って、なんだか複雑でわかりにくいと思いませんか?
年金に関する書物や情報は世の中にたくさん出ていますが、ざっと読んだだけでは、はっきりいってよく理解できません。年金制度が、こんなにわかりにくい理由は「いろいろなケースに対応するために、いろいろな例外が作られているため」なのだと思います。
年金は、国民全員に関係する制度です。一口に国民といっても、会社員の人もいれば、自営業の人や専業主婦の人もいて、それぞれ制度が異なります。
「働きながら」もらうのか、「完全に仕事をやめて」もらうのか。また夫婦など家族の在り方によっても、制度は異なります。「夫が会社員で妻が専業主婦の場合」とか「妻が年下の場合」etc。いろいろなケースに応じた制度があって、結果、年金の制度は恐ろしく複雑になってしまっているのです。
さらに、年金制度がひっ迫しているために、なるべく年金を払わなくて済むよう(?)、ツギハギの制度改正が行われ続けていて、年金制度はますます複雑になっているのです。
自分の場合はどうなのかを知っておけばOK!
こんな複雑な年金制度のすべてを理解する必要なんてありません。知っておくべきことは、自分の場合「いつから」「いくら」「損をしない方法」で受け取れるのかということです。
本書では、年金で損をしないために、知っておきたいコストパフォーマンスが大きいワザに絞って紹介しています。「年金について、もっと細かく知りたい!」という方は、年金に特化した書籍などで掘り下げていただければと思います。
ちなみに、年金はとにかく「申請主義」です。自分で申請しないと、本来もらえるべき年金も、もらえません。原則通りに65歳から年金をもらう時でさえ、年金請求書を出さないと自動的に繰り下げ扱いになってしまうほどに年金は「申請主義」なのです。加給年金など特別な人だけがもらえる年金は申請し忘れて、もらい損ねている人も少なくありません。
「年金は申請しないともらえない」。これだけは絶対に覚えておいてください。
*本記事は「知らないと大損する!定年前後のお金の正解 改訂版」から、抜粋・編集したものです。