これはコナがBEV専用設計ではないことのデメリット。というのも、専用設計のアイオニック5の場合、2WD仕様の駆動輪は後輪。一方、全仕様が2WDとなるコナは、前輪が駆動輪。エンジン搭載モデルが存在するため、後輪駆動にしようとするとプロペラシャフトを通す必要から後席フラットフロアが成立しなくなる。同じ骨格を用いるBEVも前輪駆動とせざるを得ないわけだ。

BEVである以前に
侮れない実力

 コナの賢いユーザーインターフェースにも感心した。トンネルに進入したりウォッシャー液を使用すると、空調は自動で内気循環に切り替わり、頻繁に操作する装備機能はきちんと物理スイッチが残されている。初見でも問題なく操作できる。

 このあたり、操作性に優れているとはいえないタッチスイッチを過度に用いるクルマが増えた中で、「走りながら操作系を作り込んだ」ことを強く実感した。コナは、レンタカーとの親和性も高いだろう。

 ヒョンデが、グローバル市場で高い評価を得ているのは、実はこうした、まじめな開発姿勢も関係をしているのではないか。BEVである以前に、侮れない実力を感じさせられた試乗だった。

(CAR and DRIVER編集部 報告/河村康彦 写真/横田康志朗)

CAR and Driverロゴ