会社の寿命はますます短くなり、働く年数よりも、会社が存続する年数のほうがはるかに短い。結局のところ、人生を勤め先に委ねることは、あなたの人生を会社の都合、上司の都合に合わせる、ということと同じだ。

これから生き残るのは
つくり、告知し、売る人々

「稼ぐ力」は、技術者にも求められている。たとえば、Googleが求める人材は「スマート・クリエイティブ」という人材だ。Google会長のエリック・シュミットの著書には次のように書かれている。

 では、この「スマート・クリエイティブ」というのは、具体的にどんな人間なのか。スマート・クリエイティブは、自分の『商売道具』を使いこなすための高度な専門知識を持っており、経験値も高い。(中略)

 医師、デザイナー、科学者、映画監督、エンジニア、シェフ、数学者などがスマート・クリエイティブになるかもしれない。

 実行力に優れ、単にコンセプトを考えるだけでなく、プロトタイプをつくる人間だ。(中略)ビジネス感覚も優れている。専門知識をプロダクトの優位性や事業の成功と結びつけて考えることができ、そのすべてが重要であることをわかっている。
※『How Google Works』日本経済新聞出版社

 一見、「スマート・クリエイティブ」は敷居が高いが、実は「副業で稼ぐ人」とやっていることはあまり変わらない。つくり、告知し、売る。それはとてもクリエイティブな活動だ。

 同じように、私は訪問した数々の会社で「自分で商品をつくって、告知して、売って」をやっていた人に出会ってきた。私はそのような方々に非常に魅力を感じる。

 そういった人々は、会社の成果と、自分の活動を結びつけることができるからだ。

「なぜ、自分のつくったものは売れないのか?」
「なぜ、自分のつくったものは読まれないのか?」
「なぜ、自分のつくったものは使われないのか?」

 そういったことを考え抜き、修正して、やり続けることは、もっとも効率のよいビジネススキルアップの方法だ。

 休日にゲームをしたり、テレビを見たり、ショッピングを楽しんだりして「消費」を楽しむのも大いにけっこうなことだ。しかし、ほんとうの意味で「これからの時代に対応する力」を身につけるのであれば、「自分でつくって、告知して、売る」ということを積極的にやってみてもいいのではないかと強く思う。