楽天はもう食べごろ!喰らうは「KDDI・ローソン」か「伊藤忠・ファミマ」か…サイバー藤田の“漢気救済”はある?Photo:Jun Sato, SOPA Images/gettyimages

モバイル事業の失敗で苦戦する楽天グループですが、私は「楽天モバイルが経営破綻する可能性は低くなった」と考えます。実は「窮地で食べごろ」な楽天を喰らうかもしれない2大企業連合と、1人の救世主が見えてきたのです。それは「KDDI・ローソン」「伊藤忠・ファミマ」と、「サイバーエージェントの藤田晋社長」です。(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)

ジワジワ高まる「楽天買収」の現実味
“買収のうまみ”に皆が気づき始めている

 未来予測を専門にする経済評論家の鈴木貴博です。先週、三菱商事とKDDIがローソンの共同経営に乗り出すというニュースについて二つの記事を書きました。

 一つ目は「この買収がいかにすごいことなのか?」についての評論家としての見解(詳細は『ローソン「KDDI・三菱商事の共同経営」で王者セブンが負けるかもしれない3つの理由』を参照)。

 二つ目は「業界のうわさとしてその裏にもうひとつの動きがあるかもしれない」という臆測についての記事でした。

 その業界のうわさとは、楽天モバイルの失敗で窮地にある楽天グループをKDDIが救済合併をするのではないかというものです。もしそうなればKDDI、ローソン、楽天が持つビッグデータは、新たに莫大な資産価値を生む可能性があり、GAFAMに対抗する国産クラウド、国産AI企業連合が誕生するかもしれないという話になります(詳細は『KDDIが楽天を買収したらアマゾン超えも夢じゃない?ローソンTOBの「先」を予測してみた』を参照)。

 このうわさについては、間違いなく業界ウオッチャーは同じことを考えたはずです。実際、ここ1週間の報道を見ても、堀江貴文さん、入山章栄さん、石川温さんらが異なる立場から同様にその可能性について見解を述べていらっしゃいました。

 問題は、ここからです。

 みんながKDDIによる楽天救済の可能性に関心を持ち始めてしまったことで、重要な変化が起きます。楽天の凋落(ちょうらく)が、KDDIによるローソンTOB(株式公開買い付け)のおかげで止まるかもしれないという話です。

 なにしろ楽天モバイルの赤字を除けば、楽天経済圏にはものすごく大きい買収価値があることに複数の企業連合が気づいてしまったのです。楽天を応援する人たちにとって、この変化は朗報です。