分かれ道写真はイメージです Photo:PIXTA

就職、転職、結婚……など人生は選択の連続。しかし、何歳になっても、自分の選択に自信を持てる人は少ない。では、自分の選択を信じられるようになるにはどうしたらいいのか。本稿は中元日芽香『なんでも聴くよ。 中元日芽香のお悩みカウンセリングルーム』(文藝春秋)の一部を抜粋・編集したものです。

意思決定を信じる第一歩は
あり得た道を必要以上に考えない

「上京し、新社会人として過ごしているのですが、未だにこの進路選択で合っているのか、自分の決定に自信を持つことができません。

 進路以外でも、日常的に選ばなかった選択肢に進んだ自分を想像して葛藤してしまいます。現実世界の自分に大きな影響が出る前に、自分の意思決定を信じてあげられる人になりたいです」(ラーメンマン・22歳・男性)

 道は1つしか選べないですもんね。「数多くの選択の結果が今の自分」という言葉を聞きますが、1つ選択が変わっていたら今の自分はここにいないのかと想像するとゾッとします。

 日常的に選ばなかった選択肢。お断りした友人の誘いとか、迷ったのちに買わなかった服とか、引っ越し先の候補で最終的に住まなかった部屋とかでしょうか。自分が選んだ道でうまくいっていない時、「もう片方の道に進んでいたらこうはなっていなかったのかな」と考えたくもなります。

 進路選択の結果が実感できるには、数年単位で時間が必要かもしれません。これから先も大小様々な選択をして生きていきますが、自分の選択を信じてあげられるようになりたい、とお考えなのですね。自分に対して「信じてあげられる人に」という言い回しが素敵だと思いました。

 ラーメンマンさんは、慎重さを持っていて、反省がきちんとできる人なのかな、という印象を受けました。想像力があって、選ばなかった方の道ではどうなっていたか、なんとなくわかってしまうのかな。

 おそらく進路選択の際にも慎重に比較検討されたのでしょうし、私はどちらかというと無鉄砲なタイプなので、慎重さを持つ人ならしない失敗をして生きているかもしれません。そう考えると、ラーメンマンさんの慎重さからくるリスク回避能力は武器ですよ。

 その上で、自分の意思決定を信じてあげるための第一歩として、「選択しなかった方の道について、必要以上に考えない」のはどうでしょうか。特に、くつがえせない選択に関しては、過ぎ去った過去の出来事です。