阪神梅田「駅弁大会」が楽しすぎ!阪急うめだを横目に逆張り進化を遂げたワケ【写真多数】「阪神の有名駅弁とうまいもんまつり」では駅弁をアテに、ビールや日本酒を楽しむことができる Photo by Wataya Miyatake

駅弁大会なのに「バル飲み」?
異色!阪神百貨店梅田の駅弁大会

 阪神百貨店梅田本店で「阪神の有名駅弁とうまいもんまつり」が開催中だ(2月28日午後5時まで)。阪神梅田といえば「食の阪神」と称されるほど、食品販売に力を入れている。今回の駅弁大会も、他の駅弁大会とは一線を画すユニークな仕掛けがある。見晴らしの良いイートインスペースで、駅弁や総菜をアテにお酒を楽しむことができるのだ。

阪神梅田「駅弁大会」が楽しすぎ!阪急うめだを横目に逆張り進化を遂げたワケ【写真多数】午後3時からは「バルチケット」も販売されており、仕事帰りと思しき人々で大にぎわいだ Photo by W.M.

 会場である8階催事場には、数十人が滞在できる「イートスタンド」があり、「立ち食い・立ち飲み」の看板が目を引く。また、「周遊ビールバー」「周遊銘酒バー」では午後3時からお得なバルチケットを販売している。購入したばかりの駅弁やご当地グルメをさかなに「バル飲み」(バル=食堂とバーが一体になった空間。スペイン語)ができるとあって大会初日から大勢の人でにぎわっている。

 駅弁は見た目もきれいで、ギュッと詰まったご当地料理や食材は、いわば「食べるカタログ」といえる、話のネタになるものだ。冷めても味が落ちないよう、酒のアテになるしっかりした味付けのものも多い。また、駅弁だけでなく、宮崎県のチキン南蛮や富山県の白エビ天ぷらといったご当地グルメの総菜販売も豊富だ。ツマミ×酒×話のネタで、酔える組み合わせは無限に広がる。一人で行っても、誰かと行っても絶対楽しめるだろう。

 イートスタンドは見晴らしが良い一角に設置されている。坪5000万円以上はする梅田の一等地で、JR大阪駅や阪急百貨店うめだ本店を見下ろしながら飲むリーズナブルな酒は、なぜか殊更にうまい。

 普通の百貨店でも飲食目的の休憩スペースはあるものの、ソフトクリームを食べる程度の広さしかない場合がほとんどだ。しかし、阪神梅田の場合は広々としているし、立席なので回転率もいい。関係者に取材すると、こうしたバル飲みスタイルは10年ほど前から導入し、北海道物産展などでも成果を上げてきたという。

 また、バレンタインの催事では、チョコレートの販売以外にもパフェやクレープ、ジェラートなどその場で食べる商品を充実させ、イートスタンドにキュートな飾り付けをして「映えスポット」に早変わりさせた。主に若い女性客らがその場で写真を撮ってSNSにアップするなど好評だったという。

 百貨店として経営効率を重視するなら、こういったスペースを割くよりも1店でも多く出店を入れるだろう。しかし阪神梅田はこのスペースを最大限に生かしながら、新しい客層を取り込む施策を打っているというわけだ。

阪神梅田「駅弁大会」が楽しすぎ!阪急うめだを横目に逆張り進化を遂げたワケ【写真多数】8階催事場にある広々とした「イートスタンド」 Photo by W.M.