とくに自分自身への問いかけでは、どうしても「自分好みの問いかけ」をしてしまいがち。その意味でも、「逆を照らす」を意識することは、ものごとを網羅的に見る「MECE(ミーシー/抜け漏れなくダブりなくの意)」という観点からも有効です。

 コインに表と裏があるように、「不満なこと」の裏には、「満足できること」が隠れているものです。逆を照らして、コインの両面を見るようにしたいものです。

すごい問いかけ・ポイント2「未来を問う」

 この「未来を問う」という問いかけは、まさにコーチングの問いかけの代表格です。

 なぜコーチングで、この問いかけを重要視するのかというと、理由は簡単。過去に起こってしまったことは(解釈は変えられても)変えることはできませんが、未来は変えることができるから。

 映画の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(ロバート・ゼメキス監督)は、まさにそれがテーマでした。タイムマシンで過去に戻った主人公が未来を変えるために悪戦苦闘するストーリーで、「未来は変えられる」ということが前提になっています。

 残念ながら、まだデロリアン(映画に出てくる自動車型のタイムマシン)がなくて、過去に戻れない私たちは、「未来を変えるために、今を変える」必要があります。

 その呼び水となるのが、この「未来を問う」という問いかけなのです。

 私の例を挙げると、実は私、ずっと、地方で生活することに憧れていて、「いつかは東京を離れて、別荘でも買って田舎で暮らしたい」と考えていました。

 そんな私に、あるコーチが「それはいつ?」と問いかけてくれたんです。

 その問いかけで、「あれ? 未来を変えるきっかけを作るのは、今だよな」と気がついて、調べてみると、思いのほか安い物件があることがわかりました。