そこで、「彼(部下)はどう考えているんだろう?」を探るために、その部下になりきって自分との会話を再現していただいたところ、部下の気持ちがわかったと言うのです。相手になりきって相手の視点で見ると(専門的にはポジションチェンジというテクニック)、意外な事実がわかることがあります。

 もちろん悪意だけでなく、「自分に意地悪をしてくると思っていた相手になりきってみたら、自分を心配してくれていることがわかった」ということもあります。

 自分への問いかけでこのテクニックを使うなら、「周りの人から、自分はどう見えているんだろう?」とか、「未来の自分が、今の自分を見たらどう感じるだろう? どんなアドバイスをするだろう?」など、いろいろな問いかけが浮かびます。

「問いかけ」の5つのポイント、いかがだったでしょうか? 具体的な問いかけも、ほとんどがこの5つのどれかに基づいたものになりますので、自分に問いかけるとき、ぜひ、意識していただければと思います。

 最後にもう1つ。それは、コーチングにおいては、「沈黙こそ、最大の問いかけ」だということです。

 自分への問いかけの場合は、自分に「深く考えて洞察を得る」時間を与えるということが必要です。これはぜひ、覚えておいてほしい大前提です。