平日は東京、週末は山中湖という2拠点生活を経て、結果、私は都会ではなく田舎の暮らしのほうが気に入ってしまい、今は群馬県に移住して東京の住まいは手放してしまいました。

 たった1つの「未来を問う問いかけ」によって、「今でもできるのでは?」と気づいたおかげで、本当に未来が変わったというわけです。

すごい問いかけ・ポイント3「選択肢を増やす」

 たとえば、「もうこれしかやり方がない」と思っている人に、「それって本当?」と聞いてみる。これが「選択肢を増やす問いかけ」です。

 日本人は、子どもの頃から「答えが1つしかないテスト」に慣れているせいか、正解は1つしかないと思い込んでいる節があります。でも、実際の世の中では、1つの問題に対する答えはいくつも存在しています。

「この答えがベストって本当?」

 そう自分に問いかけるだけでも、答えの選択肢が増えます。「これしかない」と、思い込まない。多様性を否定しないことが大切です。

 ビジネスにおける「デザイン思考」においても、「量が質を生む」という原則があるので、やはり、選択肢は多いほうがより良い結果につながるのはたしかなようです。

 私がTEDという動画サイトで見て知ったことですが、玩具メーカーのバンダイに勤める高橋さんという開発担当者は、新商品のアイデアを考えるとき、会議でまずチームメンバーと一緒にしりとりをやるといいます。しりとりで出てきた単語を次々とホワイトボードに書いていき、あらためてそれを眺めてアイデア出しを行なうのです。

 無作為なワードを豊富な選択肢としてアイデアをひねり出すわけで、アイデアの量を増やすには理にかなった考え方だと言えるでしょう。