ロシアでの企業活動に対して国際社会の厳しい目がある中でも、JTはロシア事業を続けている。寺畠正道社長も継続スタンスに変更がない方針を強調している。

 稼ぎ頭の喪失を避けたいJTは今のところ玉虫色の態度でやり過ごそうとしているが、戦況の変化など事態が大きく動けば、ロシア事業の是非が再びやり玉に挙げられる可能性がある。撤退や事業停止に追い込まれれば、JTの業績に大打撃となる。

 日経平均株価が34年ぶりに史上最高値を更新し、日本株が沸騰している。では、投資に当たって押さえるべきポイントとは何か。実は、企業の業績や投資指標に加え、株価を大きく動かす企業固有のイベントをチェックすることも重要だ。JTのケースでは、株価を大きく動かしかねないロシア事業の動向は注視が必要だ。

 イベントは企業によってさまざまだ。例えば、伊藤忠商事の岡藤正広会長や、ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長といった名経営者の進退は株価に影響を与える可能性が大きい。

 業界再編やリストラ、事業売却、大型買収に加え、物言う株主の介入なども企業の株価を動かすことになる。

 ダイヤモンド編集部の総力取材で業界や企業の株価を動かす経済ニュースについて、明らかにしていく。