新社会人に向けた2つのアドバイス
新社会人には、不安が伴うこともありますが、変化がもたらす楽しみもあります。
学生時代には経験できなかった自由なお金の使い方、大人としての新しい価値観の発見、新しい出会いや知識、経験の獲得など、新たな刺激が充実した人生を送るきっかけになるかもしれません。
しかし、これらの変化をネガティブなものと捉えないために、以下の2つのアドバイスを提供します。
①自己否定をしないこと:失敗や叱られたときに「自分が悪い」「ダメだ」と感じがちですが、社会人として重要なのは、どれだけ仕事をするかではなく、失敗から学ぶ姿勢を示し、気持ちを立て直せる能力です。不安感や焦りを感じる時でも、自分を否定するのではなく、冷静になることがメンタルヘルスを保つために重要です。
②ツラいときには視野を広げること:感情が不安定になると、人は視野が狭くなりがちです。しかし、そういったときこそ、日常のストレスから離れ、新しいことに挑戦したり、新しい趣味や活動を探求することで、心のバランスを取り戻すことができます。気分が落ち込んでいる時や体調が悪いときは、自分の視野が狭くなっていないか振り返ることが必要です。
新社会人は、誰もが経験する大きな変化の時期です。
この変化をどう捉えるかは、あなた次第です。
「誰でもこの時期には悩むものだ」「自分だけではない」という理解を持ち、視野を広げ、新しい人生のスタートを前向きに進めましょう。
(本稿は、『頭んなか「メンヘラなとき」があります。』の著者・精神科医いっちー氏が特別に書き下ろしたものです。)
精神科医いっちー
本名:一林大基(いちばやし・たいき)
世界初のバーチャル精神科医として活動する精神科医
1987年生まれ。昭和大学附属烏山病院精神科救急病棟にて勤務、論文を多数執筆する。SNSで情報発信をおこないながら「質問箱」にて1万件を超える質問に答え、総フォロワー数は6万人を超える。「少し病んでいるけれど誰にも相談できない」という悩みをメインに、特にSNSをよく利用する多感な時期の10~20代の若者への情報発信と支援をおこなうことで、多くの反響を得ている。「AERA」への取材に協力やNHKの番組出演などもある。