新社会人がかもし出す「体調を崩す前のサイン」を知っておきましょう。
そう語るのは、これまでネット上で若者を中心に1万人以上の悩みを解決してきた精神科医・いっちー氏だ。「モヤモヤがなくなった」「イライラの対処法がわかった」など、感情のコントロール方法をまとめた『頭んなか「メンヘラなとき」があります。』では、どうすればめんどくさい自分を変えられるかを詳しく説明している。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、考え方次第でラクになれる方法を解説する。(構成/種岡 健)

【精神科医が警告!】新社会人がかもし出す「体調を崩す前のサイン」ワースト4Photo: Adobe Stock

環境変化へのストレス

「これから社会に出ることが不安だ…」

 春の季節は、新しく社会人として働き始める人にとって不安が伴うものです。

 学生時代と異なる環境変化は、余計なストレスをもたらすことがあります。

 今回は、社会人1年目が「仕事がつらい」と感じる理由と、それを乗り切る対処法についてシェアします。
 また、社会人としての苦悩に直面している人への解決策も合わせて紹介しますので、興味のある方はぜひご覧ください。

どうして新社会人は「病みやすい」のか?

 人間は変化に弱い生き物です。
 結婚、引越し、仕事の変更や転校など、環境の変化はメンタルヘルスを著しく損ねることがあります。

 たとえば、引越しの場合、重労働や荷解き、人間関係の変化、支出の増加など、ストレス要因が増加します。

 しかし、新しい住環境に移動することで、警戒心や緊張感といった本能が働き、心が休まらず、体調を崩しやすくなります
 学生から社会人への移行は、人生で最も大きな変化の一つであり、大きなストレスの原因となります。

● 未経験の「社会のルール」や「社内マナー」による疲労
● 学生から社会人になり、生活リズムが激しく変化する
● 休むことや失敗を許されない状況に対するプレッシャー
● 残業や雑務など、断れない業務に対する疑問

 これらは、新社会人にとって、過度なプレッシャーを感じやすい大きな変化です。

自分では気づきにくい、メンタルが病んでいるサイン

「自分のことは自分が一番わかっている」

 多くの人がこのように思いますが、メンタルヘルスが悪化すると、視野が狭まり、自身が体調を崩していることに気づけなくなることがあります。

 メンタルが不安定になっているサインとしては、次のようなものがあります。

● 「遅刻」や「欠勤」が増える
● 休日や仕事終わりにも「仕事のことを考え続けている」
● 「眠れない」「食欲がない」などの、日常生活の困難
● 理由なく「涙」が出る

 これらは「頭では理解しているが、なぜか行動できない」という状況が増えているときのサインです。
 これを放置し、我慢を続けると、心が折れてしまう可能性があります。

 さらに悪化すると、「仕事に向いていないのではないか」という根本的な自信を失ってしまうこともあります。
 だからこそ、新社会人のメンタルケアにおいては、自分が心を病んでいるサインを見逃さないことが重要なのです。