人手不足などを背景に増加する
コンビニ・スーパーでのセルフレジ
昨今、コンビニやスーパーでセルフレジが急速に増加している。背景には小売業界を取り巻く深刻な人手不足や企業側のコスト削減ニーズがある。小売企業やリテールソリューションを開発する企業は、セルフレジも含めより少ない人員で店舗オペレーションを遂行する省人化に向けた様々な取り組みを推進している。
コンビニ最大手のセブン-イレブン・ジャパンは、2025年までにセルフレジの全国展開を目指している。スーパー大手のイオングループは、店舗に設置されたスマホや客自身のスマホにアプリをダウンロードすることでセルフスキャンが可能なソリューションである「レジゴー」を展開している。また同グループはグループ企業のマルエツにおいて「Scan&Go」を展開している。
解決すべき課題が
山積するセルフレジ
企業側が積極的にセルフレジを推進するに当たり、万引きなどの不正利用の防止は大きな課題である。また利用者の視点からも解決すべき課題は山積だ。
現在のセルフレジは、利用者にとって煩わしさが残る設計であるため、有人レジが選択されたり、せっかく利用されてもクレームが寄せられることがある。
例えばセルフ決済時には、レジ袋の要不要、ポイントカードの保有の有無、決済手段など、商品の購入が完了するまでに数多の選択画面があり、煩雑だという声が残る。また、商品コードをスキャンする機器がハンディスキャナのみのセルフレジも存在し、操作に両手を使う必要がある。
結果として、セルフレジを利用しているのにもかかわらず、最後には売場スタッフが呼ばれ、対人での対応が発生するケースが後を絶たない。