他国では2017年頃から米国や中国で無人コンビニが大きな話題を集めた。しかし現在では当時の勢いはなく、閉店した店舗も多い。筆者もかつて上海を訪れて無人コンビニを利用したが、アプリ認証での入店や、決済時の操作には煩わしさがあり、店員が対応してくれる店舗と比較して、メリットを感じることはできなかった。
利用者の満足度を高める
新しい試み
小売業におけるセルフレジの多くは、顧客に店側の作業を肩代わりしてもらう設計が主流だ。このため、利用者サイドに何らかの負担を強いることを完全に回避することが難しい。
しかしサービス設計の簡素化や戦略的な投資戦略によって、利用者の満足度を高める道はある。
例えば、大手リテールソリューション機器メーカーが開店した次世代型の実験店舗では、決済手段の選択肢をプリペイドカード、現金、顔認証にあえて絞り込む事例が存在する。
日本は中国などと比べて電子決済の規格が乱立している。利用できる決済手段が絞り込まれていれば、操作画面がシンプルとなり、操作方法が分からずに店員が呼びだされる場面も減る。上記の実験店舗は、売場オペレーションを1名のスタッフで対応できているようだ。
企業側が電子タグや次世代カートに積極的な投資を行うことで、省人化決済の利用者への追加負担を極小化する取り組みにも注目したい。