大谷翔平選手が声明発表、日本は安堵でも米国では「疑惑」が消えないワケ米大リーグ、ドジャースの大谷翔平投手(写真右) Photo:Michael Owens/gettyimages

大谷翔平選手の元通訳である水原一平氏が違法賭博に関与したとされる問題について、大谷選手は声明を発表したが、日米での受け止め方が大きく異なっている。日本では安堵が広がる一方、米国ではもっと冷静な論調で、疑惑への追及が継続している。どういうことか。(国際ジャーナリスト 大野和基)

日本では安堵が広がる一方
米国では疑惑への追及が継続

「僕自身は何かに賭けたりとか、誰かに代わって、スポーツイベントに賭けたりそれを頼んだりということはない。僕の口座からブックメーカーに対して、誰かに送金を依頼したことはない」。米大リーグ、ドジャースの大谷翔平選手が日本時間の3月26日午前7時前、専属の通訳を務めた水原一平氏が違法賭博に関与したとされる問題について声明を発表した。

 この声明に対して、日米での受け止め方が大きく異なっている。日本では、大谷選手がギャンブルになんて一切関与しているわけがない、といった国民の希望というか前提条件のようなものがあって報じられてきた感があり、今回の声明で一定の安堵が広がっている。一方、米国ではもっと冷静な論調で、疑惑への追及が継続している。

 というのも、大谷選手は「彼(水原氏)が僕の口座からお金を盗んだ」と発言したが、実際、水原氏がどうやって多額のお金を送金できたのか、その詳細については疑問が残る。仮に大谷選手が、水原氏に対して口座のアクセス権を与えていた、とでも明らかにしていれば、米メディアも納得しただろう。しかし、そういった発言はなかったので、まだ大谷選手自身への疑惑(賭博に関わっていたか否か)が100%消えたわけではない。これが、米国での受け止め方だ。

 ところで、今回の一件で日本でも注目されるようになった米国のスポーツ賭博やギャンブル依存症について、現地の関係者を複数、オンレコ・オフレコで取材した。まだまだリサーチ中ではあるが、現時点で筆者が興味深かった点について紹介したい。