歴代最長幹事長の不出馬表明は、自民党「混迷加速」の号砲となる3月25日、東京・永田町の自民党本部で、次期衆院選に出馬しない意向を固め、記者会見する元幹事長の二階俊博(右) Photo:JIJI

 自民党の派閥が主催した政治資金パーティーを巡る裏金問題で責任を問われる議員の処分問題が新たな段階に入った。その局面を大きく変えたのが元幹事長、二階俊博(85)の記者会見だった。3月25日午前10時半すぎ、二階は側近の経理局長、林幹雄を伴って党本部4階の記者クラブに現れた。

「政治責任は全て監督責任者である私自身にある。本日、岸田文雄首相に次期衆院選に出馬しないと伝えた」

 記者会見場にはこの間の裏金問題の処理に当たってきた総務会長の森山裕、記者クラブと同じ4階に部屋を持つ選対委員長の小渕優子らが姿を見せた。ところが会見の最終場面になって二階がブチ切れた。選挙不出馬の決断について年齢の影響を問われた瞬間だった。

「年齢の制限があるのか。お前もその歳がくるんだよ。ばかやろう」

 この過激な反発は、不本意な決断に追い込まれた二階の無念の気持ちの反映ともいえた。確かに決断に至る過程で二階はしばしば周囲に本音を漏らしていた。

「こんなことで(議員を)辞められるか」

 しかし二階の政治資金報告書への不記載額は約80人の関係議員の中で、立件された議員を除けば最多の3526万円。二階派(志帥会)の会計責任者と二階事務所の秘書も政治資金規正法違反で立件されており、厳しい処分は免れない状況にあった。

 その一方で二階は幹事長として歴代最長の在任記録を残す。自民党内では二階の「名誉ある撤退」への模索が始まった。