研究の協力者たちに、若い人のような髪型にセットしてもらったり、髪の色を若々しい感じに染めてもらったりした。すると、髪を変える前よりも、多くの人の気分が良くなったことがわかった。
「若づくり」の影響は、心だけではなく体にも及んでいた。なかでも髪型を若々しくした女性の変化が著しく、全員の血圧が低下していた。心と体は密接につながっているので、自分を年齢よりも若く見せることで心が浮き立ち、その変化が体に好影響を与えたのだろう。
ハーバード大学が行った別の研究も紹介しよう。対象は70~80代の男女。自分たちが50~60代だった20年前に流行した服を身につけてもらい、そのころの映画を観たり、音楽を聴いたりしてもらった。
こうした生活を続けること1週間。たったこれだけで、炎症レベルの低下、運動機能の改善、脳の情報処理能力の上昇などが見られた。20年前に若返ったような気持ちになり、その心の動きに影響されて、体の機能まで若くなったのだと考えられる。
歩くのが早い人は
ゆっくり歩く人より20年も長生きする!
あなたはゆっくり歩くよね、と言われたことはないだろうか。そのままの歩き方を続けていると、いまぼんやり想像しているよりもかなり早く死ぬかもしれない。
それほど高い年齢ではなく、体をまだ動かしやすいうちから、早く歩くことを習慣にしておこう。早歩きと寿命の関連性は非常に強く、早足で歩くのが身についている70代、80代の人はまだまだ長生きしそうだ。
ウォーキングの健康効果について、近年、欧米で大規模な調査の結果が次々と報告されているので紹介しよう。