その結果、貧乏ゆすりをほとんどしないグループ(10段階のなかでレベル1~2)では、1日7時間以上座る人たちは、5時間未満しか座らない人たちに比べて死亡リスクが30%高かった。

 これに対して、貧乏ゆすりをある程度行うグループ(レベル3~4)と、頻繁に行うグループ(レベル5以上)では、7時間以上座っても死亡リスクは高まらなかった。さらに、貧乏ゆすりを頻繁に行うグループでは、1日に5~6時間座っていても死亡リスクは下がっていた。

 座る時間が長いほど健康に悪影響を与えるが、貧乏ゆすりによって十分カバーでき、頻度によっては逆に寿命を延ばせるわけだ。

 この研究では、貧乏ゆすりをする人たちに肥満は少なく、健康に関する数値が良いこともわかっている。

 貧乏ゆすりは、ふくらはぎの筋肉の運動といえる。全身に血液を送り出すために重要な働きをするのがこの筋肉。貧乏ゆすりでふくらはぎを動かすと、全身の血流が良くなり、むくみや冷え性が改善され、血栓ができにくくなって怖い病気のリスクも低下する。クセになると筋肉の維持につながり、余分な脂肪を燃やすこともできる。

 健康長寿に対してメリット一杯の貧乏ゆすり。人前ではちょっと支障があるので、見られないところで意識して行ってみてはどうだろう。