「月2000円負担」が既成事実化する
可能性も
それでこういった議論に騙されないようにするために重要な視点が「結局は2割の子育て世帯の支援財源を10割の世帯が負担するのだ」という全体像の理解です。
月1万円レベルの支援を国が考えているのであれば、わたしたち国民から広く徴収する負担分は当然月2000円になります。
さらにいえば、今回の子育て支援金は「これまで支援が薄かった0歳から2歳までの子どもを重点的に支援する」という議論があります。
仮に試算として3歳から18歳までをゼロで計算すれば対象世帯は6分の1、支援は全子育て世帯にまんべんなくする場合と比較して6倍給付できます。つまり月2000円の徴収で月6万円分の支援財源を確保できます。
この月6万円という金額は、公表されている少子化対策の施策と近い数字です。
もともと政府は制度の使い道を4つに絞ると説明しています。妊産婦への10万円支給、育児休業給付の引上げ、こども誰でも通園制度、児童手当の拡充がその4つです。
対象世帯が受けるサービスは月1万円では足りない施策ですから、こうやって給付対象の子育て世帯の数を絞るつもりなのだなと捉えるとだんだん数字の辻褄があってきます。
このように政府がどんな使い道を想定しているのかをチェックすれば、月500円なのか月2000円なのか、政府はどちらを想定しているのかが推定可能なわけです。
子育て支援金制度はこの後、国会での審議が本格化していきます。
野党が頑張ってくれて元のワンコインに戻る可能性もないとはいえませんが、こういった制度は常に膨張する性質があります。
最終的には月2000円負担が既成事実化していく流れができていく未来を予測するのが妥当な線でしょう。