子育て支援金は
消費税0.8%分のステルス増税だ

 それにしても現役世代はすっかり政府のATMとなり果てています。新制度に怒りをぶつける際に重要なのは「搾取の全体像」を把握することです。

 そもそも消費税が10%に引き上げられた背景は、福祉財源を確保するためのはずでした。福祉財源から子育て支援を行えばいいだけの話ですが、それでは足りないからあと2000円というのが今回の話です。

 しかし、私が一番問題だと思うのは今回、不足財源を増税しなかったことです。

 国民や企業が所得の中からどれだけ税金や社会保険料を払っているかを示す国民負担率は直近では47.5%まで上がっています。Xでは「五公五民」がトレンドワードになりました。

 年収600万円の世帯が五公五民で消費できるのは約300万円。“月2000円”の場合、年間2万4000円の追加負担が発生します。これは自由に消費できるはずの300万円のうち0.8%を占めます。

 つまり、月2000円の負担増は生活者の目線では消費税が0.8%上がったのと同じです。

 でも「消費税を上げる」というと選挙で負けるから、別の財布から搾取すると国が言っているのです。

 皆さんが払う年金はそのまま高齢者の年金に流用されますし、健康保険料も構造は同じです。そこに介護保険料も加わっているというのが皆さんの実態です。

「健康保険や介護保険はいつか自分に戻ってくるから税金ではなく保険なのだ」というのは理屈です。

 しかし、「子育て支援金の恩恵が自分に戻ってこない場合、保険にならないのではないか?」と疑問がわくわけです。

 なぜ、健康保険から徴収するのでしょう?結局のところ子育て支援について国がやろうとしているのは消費税0.8%分のステルス増税です。

 選挙で「自民党と公明党は4万円の減税をしました」と言いたいという理由が透けてみえます。馬鹿な国民は騙せるとでも思っているのでしょうか。

「五公五民」がトレンドワードになったのは、江戸時代の四公六民よりも令和の暮らしが厳しいという意味です。そもそも江戸時代では不作で年貢が五公五民に陥ると一揆がおきたものです。

 現代の民主主義では一揆に代わるものは政権交代ですが、それがどうにも起きそうにもない。また一段と寒い時代が訪れたのだと私は思います。