ここで、「妻をお金持ちにする=妻が自分の収益源を手に入れる」という話を思い出してください。

 仮に、あなたがどんなにがんばって働いても、その所得に対しては超過累進課税が襲いかかってきます。超過累進課税とは、収入が大きくなればなるほど税率も高くなるという罰ゲームのような税制です。

 いうまでもなく、あなたが勤務先からもらう給料以外の個人所得を増やしてしまうと、勤務先からの給料と合算で課税されてしまいますから、所得の合計額に比例して税額も膨らんでいきます。

 たとえば、あなたの課税所得が500万円だとすると20%の所得税がかかるので、給料以外の収入にもそれと同じく20%の税金がかかります。

 おまけに、給料以外の収入が仮に500万円だったとしたら、所得が合計で1000万円になりますので、税率も跳ね上がって33%もの所得税がかけられてしまうのです(わかりやすいように所得控除などは含めないで考えます)。

 もちろん、あなた自身の収入を増やすためには、収入源が給料500万円だけの状態よりも、給料以外の収入源もあったほうがいいに決まっています。したがって、「あなた個人がお金持ちになる」ことだけにフォーカスするのであれば、収入源と収入額を増やすことは最適の選択といえます。

 でも、「夫婦でお金持ちになる」ことに焦点を合わせてみると、あなたの収入源と収入額を増やすことは必ずしも最適の選択とはいえなくなります。

 たとえば、あなたの代わりに奥さんにその収入源を持ってもらい、奥さんのビジネスとして収益をあげるようにすれば、それはあくまでも奥さんの所得となります。

『新版 いますぐ妻を社長にしなさい』書影『新版 いますぐ妻を社長にしなさい』(坂下仁、フォレスト出版)

 先ほどと同じパターンで考えると、あなたの年収が1000万円であれば33%の所得税がかかりますが、給料以外の所得500万円を妻の所得にできるのなら、妻に対して20%の所得税がかかるだけで済んでしまいます。

 妻に収入源を持ってもらえば「夫婦合算の税額」は500万円×20%+500万円×20%=200万円となりますが、「すべてを夫個人の収入とする」場合には、1000万円×33%=330万円の課税額となりますから、所得税だけで年間130万円も違ってくるのです。

 ということで、お金持ちになりたいのであればあなたの収入は勤務先からの給料だけにとどめておいて、別の独立した収入源は奥さんに持ってもらいましょう。

 裕福になる第一歩はそこから始まります。