現代人は「慢性的で容赦ないストレス」に押しつぶされ、頭も肉体も、そしてメンタルも疲れ切っている。私たち人間が本来持つ「エネルギー」を取り戻すには、どうすればよいのだろうか? 本連載では、スタンフォード大学で人気講義を担当し、億万長者の投資家、シリコンバレーの起業家、アカデミー賞俳優のコンシェルジュドクターでもあるモリー・マルーフの著書『脳と身体を最適化せよ!──「明晰な頭脳」「疲れない肉体」「不老長寿」を実現する科学的健康法』から人生最高の時期を引き延ばし、生活の質を最大限に高め、幸福度を増し、慢性疾患の発症リスクを下げる「最新の健康法」を紹介する。

【医者が教える】「炭水化物」を摂るときに注意するべきことPhoto:Adobe Stock

砂糖はスプーン6杯未満に抑える

 炭水化物は野菜からペストリー〔パイ生地でできたお菓子や料理〕にいたるまでさまざまな食品に含まれる主要栄養素であり、炭水化物が豊富な食品をすべて一括りにすることはできない。

 炭水化物はマイクロバイオームの健康を高める食物繊維とレジスタントスターチ(難消化性でんぷん)を含むため重要だが、炭水化物が豊富な食品すべてが食物繊維とレジスタントスターチを含むわけではない。したがって、食物繊維とレジスタントスターチを摂りたければ、食品を慎重に選ばなければならない。

 炭水化物は野菜にも含まれるし、キャンディーにも含まれる。野菜が身体に良いことは既に知っているはずなので、あなたが知らないと思われることに的を絞って説明していこう。

 まず、添加糖類と精製穀物が実際健康にどれほど害を及ぼすかを理解することが重要だ。

 砂糖は炎症を促進する。血糖値を急上昇させ、マイクロバイオームのバランスを崩し、炎症を促す病原性の細菌や酵母の異常増殖を引き起こす。

 米国心臓学会とWHOは、添加糖類の摂取をカロリー全体の5%未満、つまり砂糖25グラム(ティースプーン6杯分)未満に抑えるよう推奨している。もしあなたがプロスポーツ選手ならば、1日当たりティースプーン1杯未満に抑えるべきだろう。

 余分な糖の摂取を極力避けることは、血糖値スパイク(食後高血糖)を減らす最も簡単な方法のひとつだ。

 血糖値スパイクは血管損傷や糖尿病を招くおそれがある。

 そのため、トラッキングによって、血糖値がコントロールできていないタイミングや、血糖値を正常に戻すための管理の仕方を知ることがきわめて重要となる。

 白砂糖やブラウンシュガー、アガベ(純果糖で肝臓に負担をかける)、濃縮果汁、コーンシロップ(液糖)は避けたほうがよい。

 デーツ、はちみつ、メープルシロップ、キシリトールは少量であれば摂ってもよく、血糖値の安定も保てる。

 キシリトールが腸透過性を高めるかどうかははっきりしないが、少量なら摂ってもかまわないだろう(それでも1日にティースプーン1杯を超える摂取はお勧めしない)。キシリトールはガムに含まれることが多く、口腔衛生に効果がある。

 私はミネラルと抗酸化物質が含まれる生はちみつを少量摂っているが、糖であることに変わりはないので量には気をつける必要がある。

(本記事は『脳と身体を最適化せよ!──「明晰な頭脳」「疲れない肉体」「不老長寿」を実現する科学的健康法』から一部を抜粋・改変したものです。)