「広い家ほど資産性は高い」わけではない

「駅から遠い」については共働き世帯の増加によって、利便性を求める世帯が増加傾向にあり、駅からの近さは大きなポイントです。当然、駅から離れた物件は将来的に需要が減っていく可能性が高く、資産性の観点からいうと弱いと言えます。

 近年、長野県の軽井沢や千葉県のいすみなど、リモートワークを前提にリゾート地への移住も増えていますが、初心者の売却という点では意識しなければいけない点が多く、あまりおすすめはできません。(ダメというわけではもちろんありません。ただ、相当の不動産戦略が必要になります)

 最後に、「不必要に広い」のも要注意です。「家は広ければ広いほどいいのでは?」と思う方も多いと思いますが、住み替えや売却を視野に入れると広すぎる家はマイナスに働くこともあります。

 なぜなら、将来の世帯にとって広い家のニーズは徐々に減っていくからです。現在、日本の出生率は1.34人と、4人家族が少なく、同時に世帯当たり人数も減少傾向です。そういったことを加味すると、不必要に広い物件はその分価格も上がってしまうため、「この価格だったら、立地をよくしよう」と考えられてしまう可能性が高いのです。将来の売れ行きに不安が残る可能性があるでしょう。

 ただ、ここで気をつけたいのは「不必要に広い」ということであり、家族構成に合わせて家の広さを決めていくのは悪いわけではありません。そのための目安として、「マンションであれば100㎡超が目安。戸建ての場合は120㎡超※エリアにもよる」と本書では考えています。