生保・損保・代理店の正念場#14Photo:erhui1979/gettyimages

カルテル問題で金融庁から行政処分を受けた大手損害保険4社は、業務改善計画の公表と同時に計132人もの役員を処分。特集『生保・損保・代理店の正念場』(全31回)の#14では、それと同時期に公表された役員人事を読み解き、次期トップ候補の実名をお届けする。(ダイヤモンド編集部編集委員 藤田章夫)

カルテルとビッグモーター問題で
大手損保4社で役員132人の大量処分

 カルテル問題で行政処分を受けたことにより、合計132人もの役員の処分を行う事態に陥った損害保険大手4社。ビッグモーターによる保険金不正請求問題でも行政処分を受けた損害保険ジャパンと、東急グループのカルテルで矢面に立った東京海上日動火災保険は共に、50人規模の役員の処分に踏み切った。

 両社が役員の連帯責任を強調したのに対し、三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険の2社は「責任の明確化」を掲げ、共に十数人の役員の処分に限定したかたちだ。

 これら役員の処分に加え、2月に出そろった組織改編や役員人事からは、損保各社の狙いや次期トップの萌芽が見て取れる。

 次ページでは、損保ジャパンに新設された注目の二つの部署に加え、東京海上ホールディングス(HD)の小宮暁社長の次期社長候補。そして、MS&ADグループHDは1年前倒しでトップ交代を発表し、HDと三井住友海上の社長を兼任することになった舩曵真一郎社長の後任社長候補。しばらく先の話になるが、あいおいの次期社長候補などについて実名で詳述する。