歴史を振り返っても、自民党あるところに裏金あり、裏金あるところに自民党ありである。政権交代がほとんど起こらない日本では、権力は自民党に集中する。集中すれば腐敗は起きるのである。

 2018年に学術雑誌「Journal of Public Economic Theory」に掲載された「透明性は政治腐敗を減らすか?(Does transparency reduce political corruption?)」によると、政治腐敗を防ぐためには、以下の3つが必要だ。

1、徹底した透明性
2、腐敗した政治家を選挙で落とす(腐敗が割に合わないものだと理解させる)
3、補助金や規制など腐敗を生む政策をさせない

 透明性もなく、政権交代もなく、補助金と規制まみれの日本で、腐敗が減ることなどあり得ない。世界一透明性の高いルールをつくる一方で、裏金議員を選挙で落とし、補助金や規制のなるべくない日本を作り上げていくほかない。

国民負担を増やし続けた
増税モンスター

 岸田文雄首相のやらかしてきた政策は枚挙にいとまがない。「令和版所得倍増計画」「金融所得課税の強化」「健康危機管理庁」……。岸田氏が党総裁選で掲げた「目玉」は、ことごとく封印されている。

 筆者は、安保3文書改定については、評価をしているが、これとて、岸田首相の実績とカウントするというよりも安倍・菅政権の置き土産であり、既定路線を追認したということだ。岸田首相が強い思いをもってやったとも思えない。

「異次元の子育て政策」で莫大な税金を投入したものの、結果はご存じの通りだ。政策決定の前から、学術ベースで、子育て支援は少子化改善に結びつかないことは、わかりきっていた。それにもかかわらず、「やった感」「対策してる感」という岸田首相のメンツが優先されたわけである。政策効果のないところにお金を放り込んだら、待っているのは国民負担増、つまり増税である。

 増税については、さすが「増税メガネ」と揶揄されたほどにやりたい放題であった。森林環境税、配偶者控除改定、インボイス制度、社会保険料の増税…。

 岸田首相は、自ら問題をつくり、その解決のために、税金を上げたのである。なお、国民負担率が上昇(=増税)すると、経済成長率が低下することは、日銀(2000)や第一生命経済研究所(2023)の研究で明らかになっている。国民負担を増やしたら経済は冷え込むということだ。

 結果、岸田政権がもたらしたものは、こうだ。