向き不向きもあると思うのですが、自分の経験を踏まえると、「文法から始める」ことはおすすめしないですね。

 これは僕自身の失敗談でもあるんですが、文法を先に勉強してしまうと、文法を気にしすぎて、完全に自分で文を組み立ててからじゃないと発言できなくなってしまうんです。文法を間違えるのが怖くて、滞ってしまう。たぶん経験がある人も多いのではないかと思います。

 なので、文法はある程度学習が進んでから学び始めるのがいいのかなと思っています。

文法は「後付け学習」

――どの段階で文法を学び始めるのがおすすめですか?

 もし留学していたり、現地に住んでいたりして、毎日その言語を聞いてアウトプットできる環境にいるなら、特に文法を学ぶ必要はないかなと僕は思います。

 例えば、日本人って日本語の文法、あまり分からないですよね。でも、今までたくさんフレーズを聞いてきてたくさんインプットがあるから、自然に使いこなせる。それと同じように、ネイティブに囲まれた環境にいるなら特に文法を学ばなくていいのかなと思います。

 一方で、なかなか現地に行く機会がない方は文法の学習も必要だと思いますが、その場合はある程度フレーズを身に付けてからがいいかなと。

 やはり自分にフレーズというストックがある状態だと、文法を学んだときに「なるほど!こういうルールだったのか」という実感がわくと思うんです。

 そうすれば、ただ文法というルールを覚えるのではなく、実践的に身に付くと思います。この1ステップを踏むことで、文法の理解度は大きく変わるのではないでしょうか。

 ネイティブとコミュニケーションを取れるようになるという目的で考えるならば、文法はあくまで言語学習の“補助輪”。そう捉えておくのがよいと思います。

――ネイティブと話す練習はどのようにしていますか?