憎まれ口を叩きながらも、「こんなバカなのによく育ててくれた」「大学まで行かせてくれてありがとう」と伝えているのです。

 つまり僕と両親や、先述のクライアントの間には、きちんとした「関係性」や「信頼感」が出来上がっているのです。そして何より、僕が軽口を叩くのは、「相手に喜んでもらったり、元気になってもらいたい」からです。

もっと「距離感」を詰めていい!

 軽口を叩いても許される関係性を築くためには、他愛もないことで構わないので、普段からその人と「コミュニケーションの回数を増やす」努力をしておくことです。

 これは何も、たくさん話しかけろという意味ではありません。

 いつもなら一往復で終わる会話のキャッチボールでも、少し工夫するだけでその回数を増やすことができます。

 たとえば僕は、仕事柄、お菓子の手みやげをいただくことが多いのですが、一人では食べきれないので、後輩にあげることがよくあります。その際、「よかったら食べて」とひと言だけで済ませるのではなく、

「お客さんからのもらい物でお礼を言わなきゃいけないから、どんなお菓子が入っていたかわかる写真をあとでもらっていい?」

 などと伝えます。こうすることで、手みやげのおすそ分けも「コミュニケーションの回数を増やすツール」にすることができます。

 相手としても、余ったものをただ横流しされるよりは嬉しいはず。実際に写真をもらったら、「ありがとう。お客さんには内緒にしておいてよ」などと伝えれば、相手と秘密を共有することにつながり、さらに親密感が増します。