「良いひとり言」と
「良くないひとり言」の違い

 しかも、成功する人に共通するのは意識的に「良いひとり言」を用いていることだという。

「米国の実業家、ロックフェラーは『未来は現在の過ごし方にかかっている』『自分を見失わず着実に前進しろ』が口癖で、絶えず自分自身に言い聞かせていたといったエピソードがあります。肯定と否定、楽観と悲観の思考を振り子のようにつぶやきながらも、肯定的で楽観的なひとり言を言うと、脳を活性化させます。

 ちなみに私は『やれるんじゃない?』『いけるんじゃない?』と自分を激励したり鼓舞したりする言葉を使うようにしています。『どうせ自分なんか』と否定する言葉を言ってしまう人も多いでしょう。それでもいいのです。なぜ、その言葉を発したのか、いったん冷静に客観視して、自分が置かれた立場や状況を分析してみます。そうすると答えが見つかってきます。ネガティブワードが出たときはメモに書き留めて分析してみる癖をつけると、状況を打破できるでしょう」

 加藤さんがお勧めしているトレーニング法は、右脳で発した「思いつき」「発見」「違和感」などの感情を表したひとり言に対して、左脳で言い返すこと。

(右脳)「これっていいアイデアかもしれない!」
(左脳)「では、いったんよく考えてみよう」

 などと、右脳と左脳で真剣なセッションを繰り返すと、答えが導き出されるという。

「ひとり言」が多い人ほどうまくいく意外な理由、五月病に悩む人との決定的な違い

 これらを踏まえて、なんとなくやる気が出なくて気分が落ち込みやすい、五月病を切り抜けるコツを教えてもらった。

(1)ネガティブなひとり言こそメモに書き留める「どうせ自分は」「何をやってもダメ」など、ネガティブなひとり言は、自己を見つめ直して成長させる可能性が眠っているという。「ネガティブな言葉には、自分自身が隠し持つ劣等感や思考の偏り、欠落したものなどが表れています。ネガティブなひとり言を言った後に、『なぜそんなことをつぶやいたのか?』と、自問自答してみましょう」
不安の原因を突き止められれば良いひとり言に転化できる。