たとえば、ある企業は、「好奇心・意欲・行動力を持った学生」を掲げています。程度の差はあるにせよ、この3つは皆さん、必ず持っていますよね? だから無理に、

「私は好奇心が旺盛で、何事にも意欲的に取り組み、行動力には自信があります!」

 なんて迎合した回答をしなくていいのです。うんざりさせるだけです。

 また、面接官は組織内の人材バランスを重視します。ダイバーシティ(人材の多様性)が求められる今、同じタイプの学生ばかり採用することはありません。リーダーばかり採るわけではないのです。

 企業の「求める人物像」は参考程度でかまいません。等身大のあなたが、本心から自信を持っていることを、礼をわきまえつつ堂々とアピールすればいいのです。

良かれが逆効果(2)「志望動機」

 成長への前向きな姿勢をアピールすれば評価されると考えて、「自己成長」や「キャリアアップ」というフレーズを含めて志望動機を語るケースも、大変増えています。

 ある調査によると、応募書類も含めた就活選考上で、一番使用されるフレーズが、
「自己成長」
 だとか。

 その背景にはきっと、この考え方があるのでしょう。

 特に即戦力性を備えていない普通の学生にとって、潜在能力、将来性を感じさせる「自己成長」アピールは非常に有効です。

 ただし、
「~~の理由から御社を志望していて、御社の仕事を通して自己成長していきたい!」
 といった、自分だけに照準が当たった志望動機はNG。

「ウチ(当社)は、あなたの自己成長のためにあるわけ?」

 と、面接官に失笑されてしまいます。

 ここは「自己成長」を応募先企業への貢献につなげて話さないといけません。

「自分が成長することで会社の発展にもつながる」と、必ず自分の成長と会社の発展・成長を関連付けるようにするのがマストです。