<正解>

 箱の中に最後に残る玉は「黒色」

「もともと入っているのは白玉の方が多いから、なんとなく白玉が残りそうだよね」。
 そう思ったあなた!
 論理的思考をあきらめてはいけません。
 とはいえ、取り出す玉の組み合わせをひとつずつ検証する必要はありません。
 何に着目するかがポイントです。

箱の中身はどう変化する?

 2つの玉を取り出し、同じ色なら白い玉を1つ、違う色なら黒い玉を1つ入れる。
「2個取り出す→1個入れる」なので、1回行動を起こすごとに、箱の中の玉の数は1つずつ減っていきます。

 かなり難しそうに見える問題ですが、パターンを単純化して考えるとシンプルになります。
 玉を取り出したときの箱の中身は、以下のように置き換わります。

(取り出した玉)白・白→(入れる玉)白→(箱の中の増減)白ー1
(取り出した玉)黒・黒→(入れる玉)白→(箱の中の増減)黒ー2・白+1
(取り出した玉)白・黒→(入れる玉)黒→(箱の中の増減)白ー1

 ここで着目すべきは「黒玉の減り方」です。
 箱の中から黒玉が減るのは、取り出した2つの玉が「黒黒」のときのみだとわかります。

減る数が重要なのではない

 黒玉が減るパターンの方が少ないから、最後に残るのは黒玉……と考えそうになりますが、着眼点はそこではありません。
 ポイントは減る数や確率ではなく、

「黒玉は2個いっぺんにしか減らない」ということ。

 箱の中に最初にあった玉の数は「白が20、黒が13」です。
 つまり黒玉は、かならず奇数個が箱の中に残ります。

 黒玉は13→11→9→7→5→3→1と減っていき、最終局面の一歩前では、かならず「白1、黒1」という状況になります。
 最後にそれを取り出すと、玉の色は「白黒」なので、黒玉を箱の中に入れます。
 よって、最終的に箱の中に残るのは黒玉であるというわけです。

「思考」のまとめ

「何かのなかから色の違うボールを取り出して何かする」的な問題は、みんな苦手な「確率の問題」でよくあるやつですね。
 なので最初は「やばい!」って思いましたが、確率は1ミリも関係ありませんでした……。

「個数」ではなく「減り方」に着目すると瞬時に解けるのですが、ちょっと思いつきづらいですよね。
 自力で解けた方は自慢しましょう。

 ・目に見えている物体や現象だけでなく、そこからわかる「法則」「規則性」などに目を向けることで、発想が浮かぶこともある

(本稿は、『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』から一部抜粋した内容です。)

野村裕之(のむら・ひろゆき)
都内上場企業のWebマーケター。論理的思考問題を紹介する国内有数のブログ「明日は未来だ!」運営者
ブログの最高月間PVは70万超。解説のわかりやすさに定評があり、多くの企業、教育機関、テレビ局などから「ブログの内容を使わせてほしい」と連絡を受ける。29歳までフリーター生活をしていたが、同ブログがきっかけとなり広告代理店に入社。論理的思考問題で培った思考力を駆使してWebマーケティングを展開し、1日のWeb広告収入として当時は前例のなかった粗利1500万円を達成するなど活躍。3年間で個人利益1億円を上げた後、フリーランスとなり、企業のデジタル集客、市場分析、ターゲット設定、広告の制作や運用、セミナー主催など、マーケティング全般を支援する。2023年に現在の会社に入社。Webマーケティングに加えて新規事業開発にも携わりながら、成果を出している。本書が初の著書となる。