次の職場を決めずに離職したり、休職をして自分の働き方を見直したりする「キャリアブレイク」。ブレイク期間に入るきっかけは人それぞれだが、なかには「今の自分に対する違和感」が起点になるケースもあるという。キャリアブレイクを選択した人々が抱いた、違和感の正体とは?※本稿は、北野貴大『仕事のモヤモヤに効くキャリアブレイクという選択肢 次決めずに辞めてもうまくいく人生戦略』(KADOKAWA)の一部を抜粋・編集したものです。
いまの自分に疑問を感じたら
上司に相談?転職?それとも……?
キャリアブレイクを選択した人たちの中でも、すんなり選択できた人は珍しいかもしれません。
まずは今の会社での自分の働き方、ふるまいを小さく変えるということをする人が多いと思います。自分が能力不足なのかもしれないとギアを上げて働いてみたり、ちょっと嫌なことを我慢してみたり、書店で働き方の本を探してみたり、そんな小さな工夫や我慢をしてきた人もいると思います。
実際に社内で、先輩や上司に相談してみたり、同期に愚痴をこぼしてみたり、時には、人事や総務の方に環境の変化を打診してみたり。そういったアクションが難しく、1人で抱え込んでしまった人もいるかもしれません。相談できる相手がおらず、初めての相談がお医者さんだったような人の話も聞いたことがあります。
もう1つの選択肢として転職があります。こっそりと転職エージェントに登録し、履歴書をつくります。会社で大っぴらに言えることでもないため、自分1人で抱え込む人も多いかもしれません。転職の軸を持てと言われるものの、私の軸ってなんなんだろう、人生の軸ってなんなんだろうと、哲学のような領域に入ってしまう人も。迷ったあげく、ネットで調べた転職の鉄則を元に自己PRを仕上げ、自分って誰なんだろう、と投げ出したくなったりもします。
そうやって自身の「転機」について悩んできた人が、第3の選択肢としてたどり着いたのがキャリアブレイクだったというケースが多いようです。キャリアブレイクはただ会社から離れることを指し、傍から見ると、呑気だなぁ、うらやましいなぁ、と思う方も多いかもしれませんが、この選択をした人たちは、ポジティブかネガティブかはさておいて「いろいろ模索した中でやっとたどり着いた」という感覚が事実に近いように思います。