モチベーションは人それぞれ
タイプ別「四つの学びエンジン」
それは、「主体性」です。「学び」以前に、自分で自分のことが決められないことに問題やストレスがあったのです。
きっとこの「主体性」と「学び」がうまく交わると、毎日によりポジティブな感情を持てるようになるでしょう。「学び」は、自身のできることを広げるだけでなく、自分自身をより深く理解したり、自分の人生に「主体性」を取り戻したり、よりいっそう主体的になるキッカケになったりします。
「学び」に対してネガティブな気持ちもあるけれども、「学び」でポジティブな気持ちにもなれる。さらに前進していくには、やはり「学び」は欠かせない。インサイトリサーチの結果を読み解くと、そう多くの人が気づいていることがうかがえます。
大事なことは、ただ「学ぶ」のではなく、「学び」を通して自分を知ること。企業や組織、社会から押しつけられた「学び」ではなく、自分でやってみたいことを選んで「学ぶ」。
たとえ上司から言われてやらざるを得ないときでも、「自分の糧にする」「おもしろがる」という、しなやかさも大切です。それは今の自分を自分で肯定できる「学び」です。
インサイトリサーチをもとに、私たちは「学び」に対して人々が抱いている多様な価値観・感情を四つに分類し、考察しました。この四つの分類から、人は何によって学びのモチベーションが上がるのかが見えてきたのです。それが「四つの学びエンジン」です。
「四つの学びエンジン」の縦軸は、いわば「自分を肯定するための方法」です。上部はどちらかといえば、ポジティブなモチベーションを持つ人。自分の資質やポテンシャルを発揮して、生きる指針を見つけたり目標を達成することに価値を見出すタイプです。
一方、下部はネガティブな感情をポジティブに変換する力が働く人。自分を縛ってきた劣等感や閉塞感を乗り越え、自分の進む先を開拓するなど、ハードル突破や弱点の克服に価値を見出すタイプです。実は、ネガティブな感情は、必ずしも悪いことではありません。「なにくそ!」という思いで、不可能を可能にすることだってあります。
「四つの学びエンジン」の横軸は「大切にする視点」です。左方向は「自分のための学び」を大切にする人。学びによって、自己肯定感や納得感を得たいタイプです。右方向は「他者を意識した学び」を大切にする人。他人と違う独自性や他者への貢献などに価値を見出すタイプです。
よい悪いではなく、
どれがしっくりくるか
通常のグラフでは、上方向や右方向へ行くほど値が増えたり、下方向、左方向へ行くほど値が減ったりしますが、この図はそれぞれの傾向が強くなるという意味で、上下左右で優劣があるわけではありません。
縦軸と横軸によって分けられた4象限それぞれに特徴があり、それぞれの象限の人たちが向いている学びの傾向を、私たちは次のように表現しました。
左上の象限から時計回りで、
A 自分の人生を見つけたい
B 人と違う自分を認められたい
C 周りの環境を変革したい
D あきらめずに挑戦し続けたい
あなたはどのタイプでしょうか?
『何から始めればいいかがわかる 最高の学び方』では、この「四つの学びエンジン」について、タイプ別に詳しく説明しています。
学び方に正解はありません。一人ひとりの「最高の学び方」は実に多様で、同じ人でもライフステージやライフスタイル、キャリアの変化などに応じて、刻一刻と変わっていきます。大切なことは、とりあえずやってみること。この本を手に取ってくだり、ぜひご自身にとっての「最高の学び方」を知る旅を、一緒にスタートしましょう。