脂肪は、動かした部分から落ちるからです。腕や脚の筋肉を大きく動かすランニングは、ウォーキングより多くの振動を身体に与えるため、脂肪が比較的落ちやすいと言えます。

 走れば血行も良くなり、胃腸などの内臓の動きが活発になります。栄養素が身体の隅々まで行き渡り、代謝が促進されるのも、やせやすくなる理由でしょう。

 また、走ることを継続する中で少しずつ肺活量も向上し、酸素が身体に行き渡りやすくなれば、何もしなくても消費できるカロリーが多くなるのです。何て好循環なのでしょう!

走ると身体が変わる!
肌も潤いキレイに

 肌を潤わせるには、水分が十分に供給されていることが大前提です。汗は、自身の体内から出る水分なので、細胞への浸透度も高く乾燥を防いでくれます。

 また、「水を飲む→汗をかく→水を飲む→汗をかく→水を飲む→……」というサイクルで体内の水分がどんどん入れ替わり、リンパの流れが良くなり、体内のよどみを防ぎます。

 走っている人は実感しているかもしれませんが、走った後の汗はサラサラしていてにおいもありません。しかし、体調が良くないと汗もねっとりしていて、においの原因にもなります。レースでは何千人、何万人という人々が汗ダクダクになって走りますが、においを感じることはほとんどありません。

走る習慣で脳卒中や心疾患による
死亡リスクが45%も低下する

 人間の寿命は、遺伝25%、環境75%で決まると言われています。アンチエイジングとは、「健康寿命を延ばすために、加齢による身体の衰えを防ぐ行為」を指し、「いかに若く見られるかを重視すること」ではありません。

 身体機能は、20代をピークに低下します。つまり何もしないと、太るだけではなく、身体が弱くなり生活習慣病に陥りやすくなるのです。

 では、日常的に走っていると、その状況はどのように変わるのでしょうか?アイオワ州立大学の研究結果によると、日常的に走っている人はまったく走らない人に比べて、脳卒中や心疾患による死亡リスクが45%も下がるそうです。週に10㎞走るだけでも、死亡リスクが30%下がるという結果も出ています。

 また、ランニングで足腰の筋力も大きくアップするので、いくつになってもどこにでも人の手を借りずに行ける、健脚が手に入ります。