生涯を通して健康体を保つため
ランニングを習慣にしたい

「最大酸素摂取量(VO2max)」という、全身持久力の指標があります。「1分間に体内に取り込まれる酸素の最大量」を示し、この値が大きいと、次のようなメリットがあります。

・肺が酸素をより効率的に取り込んで、血液として送り出せるようになる。つまり、心臓が1回に送り出せる血液の量が増え、安静時に心拍数が下がるため、心臓や血管への負担が軽減される

・ランナーにとっては、筋肉に供給できる酸素が増えることから、ワークアウトの強度が上がっても、スピードを上げられるようになる

 最大酸素摂取量(VO2max)は、20歳でピークになり、年々低下すると言われています。まったく運動をしない場合、最大酸素摂取量(VO2max)が低下し(心肺機能が低くなり)、80歳を超えると自立困難なレベルに達してしまいます。ランニングを日常的にすると、その落ち幅が20~40%緩やかになり、生涯を通して健康体を保つことができるのです。

 また、ランニングによって脳を良好な状態に保つことにもつながります。高齢者の心肺機能が高いほど、高度な認知機能に重要な、海馬を含むさまざまな脳の領域が活発になることが多くの研究でわかっています。

 日常的に走れば、脳の力が高まり、それを維持できる。結果、健康寿命が延びるのです。

太陽の光を浴びて朝ランすると
夜の「自然な眠り」も手に入る

 体内時計のリズムによって、人間の血圧・体温・ホルモン分泌はコントロールされています。朝起きて、外に出て太陽の光を浴びることで、体内時計のリズムは整います。

 体内時計のリズムが乱れると、望ましい時間の睡眠・覚醒ができなくなり、眠気や頭痛・倦怠感・食欲不振などの不調が生じます。

 朝の空気が気持ち良いと感じたことは、きっと誰にでもあるでしょう。そこに朝ランを加えると、すがすがしさは、さらに倍増。睡眠・覚醒を上手に切り替えられるようになり、自然な眠りができるようになります。

 早朝は、比較的邪魔が入りにくい時間帯です。太陽の力を最大限に受けられる朝の時間に走る予定を入れて、自身のスケジュールをアップデートしてみてはいかがでしょうか?