相続でトラブらないために、「遺産分割」で絶対に知っておくべきルールとは?写真はイメージです Photo:PIXTA

遺産相続の際、絶対に避けたいのが親族間での内輪揉め。“骨肉の争い”なんてことにならないように、しっかりと遺産分割のルールを勉強しておく必要がある。重要事項である「遺留分」についても押さえておこう。本稿は、株式会社エッサム『家族をしっかり守る 相続 超入門』(あさ出版)の一部を抜粋・編集したものです。

遺産分割協議は
相続人全員の参加が必須

 遺産分割協議には相続人全員の参加が必須です(相続人が未成年の場合は法定代理人をたてることがある)。そのため、戸籍調査で法定相続人を確定し、遺産についての全員の意思がわかる手立てを打ったうえで、遺産分割協議を進める必要があります。相続手続き後に新たな法定相続人が判明した場合、もとの遺産分割協議で決めた内容は無効になります。

 すべての法定相続人を調べるには、被相続人の一生分の戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)が必要です。出生から死亡まで、時期に空白があってはいけません。

 一般的に、被相続人の本籍地の地方公共団体の窓口で、相続に使う旨を伝えれば、出生から死亡までの証明書を発行してもらえます。

 結婚や転籍などで本籍地が変わっている場合は、それぞれの本籍地で同じ申請をおこなう必要があります。以前の本籍地は、直後の本籍地の戸籍全部事項証明書に記載されています。

図37 被相続人に子どもがいない場合の法定相続人同書より転載 拡大画像表示

 なお、法定相続人の誰かが亡くなっていた場合は、その人の代わりに相続(代襲相続)できる人を確定させる必要があるので、その人の子どもの戸籍も調べましょう。

 また、被相続人に子どもがいない場合は、被相続人の配偶者と親が法定相続人となります。

 親や祖父母が亡くなっており、兄弟姉妹がいる場合は、配偶者と兄弟姉妹が法定相続人になります。兄弟姉妹も亡くなっている場合は、代襲相続人として甥や姪が法定相続人となります。

 このほか、被相続人の非嫡出子には本来相続権はありませんが、被相続人から認知されていれば財産を相続する権利を持ちます。

 認知されていない非嫡出子には、死後認知の訴訟を起こす権利があり、勝訴すれば相続権を得て法定相続人となります。

 配偶者の連れ子を養子にしていた場合、その婚姻関係が解消されても、養子縁組の解消がされていなければ法定相続人となるので注意が必要です。