つまり、応募には複数の要素が絡み合っているのです。
そこから、こんなことがいえます。他社より少し条件が悪いからといって、「あなたの会社にまったく応募が集まらない」とは考えにくいということです。
実際、私が指導している顧客先には、待遇や給与などの条件が同業他社より悪いにもかかわらず、エリア・ナンバーワンの応募数を獲得している企業がいくつもあります。
なぜ、このような状況がつくり出せるのか?
それは、応募者により多くの情報を与え、選択肢を増やしているからです。
といっても、やみくもに情報を出せばいいというわけではありません。
自社の情報を出すうえで、欠かすことができないのが、次の「4つの軸」です。
「人が働く動機づけ」は大きく分けて、この4つに分類されます。
採用の理由とゴールを共有する
「採用【目的】チェックシート」

4つの軸を考える前に、社長をはじめ採用のご担当者にぜひやってほしい事前準備があります。それは、「今回の採用の目的を明確にし、会社内で共有すること」です。
採用を行う理由は、だいたいは増員募集か、欠員補充の2つしかありません。
今回の採用がどちらに当たるのか。
そして、「今回の人材をどのようなポジションに置くのか?」「配属先はどこになるのか?」「任せたい仕事内容は?」など、具体的にしていきます。
ポイントは、次の2つです。
(1)「入社してくる方にどんな働きをして欲しいのか?」をイメージすること
(2)「なぜその人材が必要なのか?」を明確にすること
例えば、採用の現場でよく聞かれるのは「今回は20代の若手が欲しい」という社長の言葉です。
「なぜ20代の人員が必要なのか?」「どのような経営的目的があるのか?」を、社長の腹の内だけに留めておくのではなく、採用に携わるチームメンバーで共有することが重要です。
「いい人が来たら、そのときポジションを決めようと思って」と話す社長も非常に多いです。しかし、ポジションや社内で働くイメージが湧かないと、「具体的な内容がわからない仕事」と応募者は受け取ってしまいます。