お互いを見る男女写真はイメージです Photo:PIXTA

ビジネスでも恋愛でも、いつのまにか人が離れていき、孤独に陥りやすい人は一体何が問題なのか? 周囲から愛され、今よりもっと成功する人になるための方法を、チャンネル登録者数66万人超の人気“YouTuber和尚”が教えます。※本稿は、大愚元勝『これでは、不幸まっしぐら 今すぐ変えたい30の思考・行動』(株式会社佼成出版社)の一部を抜粋・編集したものです。

自分にとってのメリットを
考えてばかりいませんか?

 誰だって、得することこそ望めど、損はしたくないと思うものです。「損得勘定」というと、「私はそんなに欲深くない」と感じる人もいるかもしれませんが、実は多くの人が日々の生活のなかで、損得勘定を働かせて生きています。

 現代社会では、衣食住に関わることだけでなく、あらゆることがビジネスとして存在しています。企業は商品やサービスの提供を通じて、利用者からお金を得ようとし、欲を刺激して購買につながるような宣伝文句を考えることに必死です。消費者はというと、「こっちの商品のほうが得だろうか」「このサービスとあのサービスでは、どちらにどんなメリットがあるだろうか」という選択を、無意識のうちに数えきれないほどしています。

 人付き合いにおいても、私たちは損得勘定を働かせがちです。近年はマッチングアプリを出会いのきっかけにする人たちも多いようですが、「年収が高い男性と結婚したい」「料理が上手で、倹約家な女性と出会いたい」など、配偶者に求める条件も、突き詰めれば「自分自身にとってメリットがある相手」を理想像にあげている場合がほとんどではないでしょうか。友人や職場での人間関係においても、自分にとって居心地がいいと感じる人とのみ付き合う。そんなところにも、損得勘定が働いているかもしれません。

 損得で物事を判断することが高じると、「自分が」「私が」という自己中心的な心ばかりが育っていくことになります。金品や物など、形あるものを自分の行動の見返りに求めたり、人にどう思われているかといった評価も求めたりする心が育っていきます。すると、評価を得たいがために他人をさげすんで自分を良く見せたり、隙があれば成果を横取りしたりと、思わしくない行動に発展することもあるから注意が必要です。

 こうした行動の背景には、人間が本来もっている利己心が隠れています。一言でいえば、「自分さえよければいい」という短絡的な考え方です。自分の行動が他人に与える影響には思いが及ばない、いわゆる「共感能力に乏しい人」が陥りがちな考え方といえるでしょう。

損得勘定で動いた先には
深い孤独が待っている

 利己心が膨らんでしまう原因は、太古の時代にさかのぼると思っています。弱肉強食の社会で生きてきた私たちの祖先は、自分自身、あるいは自分が属するコミュニティの存続を図るため、激しい生存競争を繰り広げてきました。