近年、日本には不動産バブルが到来し、住宅購入は大きな注目を集めている。しかし、そんな最中マイナス金利の解除が決定し、そろそろ家を買おうかと考えていたものの、不安を感じる人も多いのではないだろうか。そんな住宅購入を不安に感じる人の悩みを解決するために住宅購入の思考法』が発刊された。本記事では発刊を記念して、本文の一部を抜粋、再編集してお届けする。

都内Photo: Adobe Stock

災害リスクはどう考えたらいいのか

 日本は天災国家と言われるように、地震・台風・洪水・噴火など天災被害に関するニュースが毎年のようになされる国です。そのため、住宅がどれほど天災に強いかは命と資産を守るために当然気にするべきポイントです。

 契約時の重要事項説明で、仲介会社は自然災害のリスクを説明する義務がありますが、あらかじめ自分で調べたり、事前に備えたりすることは非常に大事です。危険な地域であれば買わないという選択肢も取れます。

 まず調べ方については、国交省が出しているハザードマップで各種災害リスクをわかりやすく確認できます。

 確認すべきは、土砂災害・洪水・高潮・津波の4つになります。特に、洪水・高潮・津波に関しては範囲が広く、東京都であってもほとんどの地域について程度の差はあれど、なにかしらの危険性が記載されています。まったくリスクのないところだけで探すのは、無理があります。

 また、首都圏で人気のエリアで、武蔵小杉や麻布十番などハザードマップではリスクありと表示されますが、いったいどのように考えたらいいでしょうか。

 ポイントとしては、0.5m未満の浸水リスクであれば、戸建てに住む場合であっても1階の浸水は避けられる可能性が高いです。ただし、高さ制限などで半地下のように作られている物件の場合は0.5m未満の浸水であっても1階が浸水するリスクがあります。

 0.5~3mのリスクがある場合は、2階に大事な家財を置いておくなどのリスク対策を検討すべきです。また、火災保険の水災被害オプションをつけておくと安心でしょう。マンションの2階以上に住んでいる場合は、洪水によって浸水する可能性は極めて低いと言えるでしょう。

 ちなみに、神奈川県の武蔵小杉エリアは2019年に最大1.4mの冠水があり、大きなニュースとなりましたが、しばらく経ってそのエリアの不動産価値は上昇傾向となりました。

 マンションか戸建てかによってリスクに対する考え方も異なりますが、重要なことは必ずハザードリスクとそれに対する対策を理解しておくことです。