リーダーが〝言うだけ〟では勢いはつかない

 頑張る理由が見つかっても、リーダーが言うだけでは勢いはつきません。リーダーの言葉がメンバーの心に感情レベルで浸透しないと、ただのスローガンになってしまいます。これをチームの状態に落とし込むのが大切なのです。

 全社の視点とは異なる、自チームの課題があるはずです。連続で契約出来ていない人がチーム内に居たり、先月は仕入が出来たが販売が低調であった人がいるなど、今月取り組む課題はチームによって様々です。

 今期の計画は達成して来期がスタートしているチームもあれば、今期の最後の追い込みをしているチームもあるのです。その課題をメンバー単位で落とし込み、今そのメンバーにとって達成すべき小さなゴールを設定するのがリーダーの役目です。

 チームのリーダーが社長と同じことを言ったら「君は社長か?」となってしまいます。最悪なのは、会社の方針を社内に落とし込む際にチームリーダーが「社長が言ってたから」と言うことです。そのためにはリーダー自身が腹落ちして、リーダーの言葉で話さないといけません。

 また、いくら自分の言葉で話せたとしても、言いっぱなしで勢いはつきません。

・言った ≠ 聞いた
・聞いた ≠ 理解した
・理解した ≠ 納得した
・納得した ≠ やってみる
・やってみる ≠ やり続ける

 であることを肝に銘じて、やり続けて成果の出るところまで応援するのが、リーダーの役割です。

 そして何より、リーダーに勢いがなくては、チームに勢いなどつくはずがありません。リーダーはいつも前向きで、元気で余裕がある必要があります。

 前述しましたが「業務に追われ予定がパンパンです」と疲れ切った顔で嘆いているリーダーが、メンバーに勢いを付かせることなど出来ないのです。

 もちろんリーダーには責任があって大変な面もあります。しかし、「俺も大変でさ」などとメンバーに愚痴を言うようなリーダーではいけません。