第9回「本格インドカレーと夏野菜の風干しソテー」

 そろそろ身体が高温多湿な日々に疲れてきた頃ではないでしょうか。前回の麻婆豆腐に引き続き、今回もスパイシーな料理をご紹介します。スパイシー料理の代表といえば「カレー」ですが、カレーにも欧風カレーやインドカレー、タイカレーなど、さまざまなバリエーションがあります。

 今回ご紹介するのは、野菜のとろみだけで仕上げる「本格インドカレー」です。玉ねぎとニンニク、そして生姜をたっぷりと使うのが味の決め手。欧風カレーより煮込み時間は短く、仕上がりもサラッとしています。バターやラードをたっぷりと使う濃厚な味わいの欧風カレーとは異なり、低カロリーでヘルシーなのも嬉しいですね。

 インドは北と南で料理の特徴が異なります。北インド料理は、ナンやチャパティー、パンが主食で、牛乳やヨーグルト、チーズ、バター、ギーなどの乳製品や油脂をたくさん使うのが特徴です。一方南インド料理は、油脂は少なく、あっさりヘルシーなのが特徴。主食は米で、野菜や豆料理が豊富豊富で、ココナツミルク・マスタード・マスタードオイル・ゴマ油などがよく使われます。

 日本でもおなじみのカレー粉は、イギリス人によって発明されたものです。メーカーやお店によりブレンドは様々ですが、基本的にはガラム・マサラとミックス・スパイス、ターメリックなど、味・辛み・色・香のスパイスがバランスよくミックスされていて、様々な薬効が期待できます。

「ガラム・マサラ」とは、ガラム(辛い)+マサラ(混ぜ物)を意味する香のスパイスで、クローブ、シナモン、コリアンダー、クミン、ナツメグなどをブレンドしたものです。一方「ミックス・スパイス」は辛さのスパイスで、コリアンダー、レッドペッパー、ブラックペッパーなど、メーカーによりさまざまなスパイスがブレンドされています。3つめの「ターメリック」は「秋うこん」のことで、色と風味のスパイスです。