良い面も悪い面もある兵役制度、
女子の兵役義務化の議論も

 そもそも、1953年以来“北朝鮮との休戦状態”が続く現状があるからこそ、兵役制度が存在するのであって、もしこの制度がなければ、今回のように若い命が失われることもなかったかもしれない。兵役のあり方は時代とともに少しずつ変化しているとはいえ、制度が存在する限り、こうした悲惨な事故が起こるリスクがあることを私たちは忘れてはならない。

 一方で、兵役という経験を通じて学びや気づき、成長や友情を得られることがあるのもまた事実である。たとえつらく厳しい経験であっても、後々、男性たちが集まれば兵役時代の思い出話に花が咲くのを見れば、兵役制度が韓国の男性にとって特別な意味を持つことが分かるだろう。

 今、韓国では急激な少子化の影響で(https://diamond.jp/articles/-/319638)兵役に就く人材が減少し、人員不足がさらに深刻な問題となり、女子の兵役義務化も議論されている。昨今の世界情勢の変化や、北朝鮮との緊張が依然続いている中、韓国の兵役制度がこれからどのように変化していくのか、非常に気になるところである。