世界一の美食家の「食べログ」活用術

 このことは、逆に食べログを使いこなすコツにもつながります。

 僕は、全体のランキングや点数を見ることはあまりありません。知っているお店がほとんどだし、細かな点数や順位の上下には意味がないと思っているからです。

 ではどう使っているか。それは、新しくオープンした注目店舗の検索に使っているのです。具体的にどうやるか。それは、エリアやキーワードを指定した先のお店のリストの画面で、タブを「ランキング」から「ニューオープン」に切り替えるのです。このままだとファストフードチェーンなども入ってきてしまうので、最低金額やジャンルなどで切る。そうすると、より見やすいリストになります。あの有名店の支店ができたんだ、とか、あの店の二番手が独立したんだ、とかここで気づくことも多い。

 あとは、写真が気になる店は、コメントを見てみる。すると、まだコメントが5件ほどしかついていないけど、どれも4点超え。ヘビーレビュアーはまだ来ていないけどレビューの内容がサクラっぽくない。こうやって、いち早く注目のお店を見つけています。

 また、食べログは他のレビュアーをフォローして、その人の投稿がタイムラインに流れてくるようにすることもできます。自分と好みや考え方が似ている人のおすすめは、場合によって点数評価以上に役に立つことがあります。どのレビュアーが好みに合うのかわからなければ、まずは、僕も参加していますが「グルメ著名人」のアカウントをフォローするところから始めてもいいかもしれません。

 最近は、自社メディアの「食べログマガジン」の記事も充実してきました。ここでもニューオープンの店が情報発信されていて、参考になると思います。

(本稿は書籍『美食の教養 世界一の美食家が知っていること』より一部を抜粋・編集したものです)

浜田 岳文(はまだ・たけふみ)
1974年兵庫県宝塚市生まれ。米国・イェール大学卒業(政治学専攻)。大学在学中、学生寮のまずい食事から逃れるため、ニューヨークを中心に食べ歩きを開始。卒業後、本格的に美食を追求するためフランス・パリに留学。南極から北朝鮮まで、世界約127カ国・地域を踏破。一年の5ヵ月を海外、3ヵ月を東京、4ヵ月を地方で食べ歩く。2017年度「世界のベストレストラン50」全50軒を踏破。「OAD世界のトップレストラン(OAD Top Restaurants)」のレビュアーランキングでは2018年度から6年連続第1位にランクイン。国内のみならず、世界のさまざまなジャンルのトップシェフと交流を持ち、インターネットや雑誌など国内外のメディアで食や旅に関する情報を発信中。株式会社アクセス・オール・エリアの代表としては、エンターテインメントや食の領域で数社のアドバイザーを務めつつ、食関連スタートアップへの出資も行っている。