おひとりさまの老後には、現役時代には見えにくい落とし穴がある! それも踏まえた、お金&老後対策は必須です。男性の3.5人に1人、女性は5.6人に1人が生涯未婚と、独身者は急増中ですが、税金や社会保険などの制度は結婚して子どもがいる人を中心に設計されており、知らずにいると独身者は損をする可能性も。独身者と家族持ちとでは、本来お金についても老後対策についても「気を付けるべきポイント」が違います。独身者がひとりで楽しく自由に生きていくためにやっておくといい50のことを税理士の板倉京氏が著した「ひとりで楽しく生きるためのお金大全」から、一部を抜粋して紹介します。

定年後「孤独になる人」と「充実した人間関係に恵まれる人」の決定的な違いとはPhoto: Adobe Stock

人間関係に「コスト」をかけてきたか

 仕事をしている間は、仕事がらみの知り合いがたくさんできます。同僚とランチに行ったり、たまに飲み会をしたり……。さらには、仕事相手やクライアントと会食をしたり、ゴルフに行ったり……。

 しかし、脅すわけではありませんが、その人たちとのお付き合いが定年後も同じように続くかというと、そうはいかないと思います。会社を退職したあとは、特に親しい人でもない限り、それまで付き合っていた会社の人たちとの縁を持ち続けられる可能性は低いでしょう。

 実際に、仕事を退職して「老後ぼっち」になってしまう人はたくさんいますので、現役時代の仕事仲間に過度な期待はいだかないほうが、無難です。

「人間関係維持」には時間も手間も必要

 社会学者の上野千鶴子さんが「人生のクオリティを決めるのは、金持ちより人持ちである」そして「人間関係にはメンテナンスが必要」と言っていました。

「人持ち」になるためにもコストがかかると思ったほうがよいでしょう。ここでいうコストとは相手にかける時間や手間のこと。

 頼りたい時だけ頼るとか、利害関係が一致する時だけ集うような友達関係は続けるのは難しい。

 ずっと友達でいたい相手に対しては、自分が忙しい時でも定期的に連絡をとったり、相手が困っている時に助けになったり……と、しっかりコストをかけていきましょう。そうすれば定年後も、孤独に陥らず、充実した毎日を送れるはずです。

*本記事は、独身者向けのお金&老後対策を書いた、板倉京著「ひとりで楽しく生きるためのお金大全」から、抜粋・編集して構成しています。